今、私の勤めるNPO法人マドレボニータには、
「ますくん」というインターン生(女子です)が来てくれています。
そのますくんとの顔合わせのときに教えてもらったイベント。
昨日から始まった「第22回東京国際レズビアン&ゲイ映画祭」!
ますくんはボランティアスタッフとして関わっているとのこと。
今日は彼女のお勧めの数本から一つ、観てまいりました。
『幸せの選択(原題は"I DO")』→公式サイト(英語)はコチラ
ニューヨークが舞台で、一人のゲイの男性が主人公です。
イギリス出身の彼は就労ビザの更新が認められず、
このまま住み続けるには、アメリカ国籍のある人と結婚して、
永住権の取得を目指すしかなくなります。
そのため、レズビアンの親友と偽装結婚をしますが、
移民局からのいつどのように査察が入るかわからないという状況に
親友が耐えられなくなり、破綻。
州法で同性婚が認められているニューヨーク、
結婚しようと言ってくれるアメリカ国籍の恋人(もちろん男性)もいるけれど、
移民局は国レベルの管轄なので異性との結婚と同じ扱いにはならない…。
この男性はもうイギリスに知人もいないし、身よりもおらず、
不慮の事故で亡くなった兄のパートナーとその娘の生活を支えてきた事情もあり、
ニューヨークに住み続けたい…。
ネタばれになっちゃうのでここまでにしますが。
少し前にアメリカでビジネスを始めた友人から、
向こうには就労ビザが切れてしまい、
今さら国外に出るともう帰って来れないという人がたくさんいるという話を聞いていました。
アメリカ国籍のある人と結婚すれば、永住権が取得できるかもしれない…
という条件自体がどうなのか、ここは私は不勉強で何とも言えないのですが、
少なくとも、レズビアンやゲイの人たちは本当に好きな相手との結婚(同性婚)
という時点でそれが認められない
(映画では「申請してみることはできるがかなり難しい」という話になっていました。
ダメとなった時点で国外退去)ということは本当に不条理だと感じました。
同性との結婚が認められる、というのは一つのゴールかと思ってしまっていたけど、
さらに日本ではそれも本当にいつ叶うかわからないような話なわけですが、
その先にも問題はあるわけですね…。
…とこのような深刻な問題をあぶりだしている映画なのですが、
もっと単純なところで、
1時間半の映画を観ていく中で自分の意識の変容がすごくあったなと思います。
私、最後は大号泣でしたが、
もうそのときって彼がゲイだとか、そういう意識がありませんでした。
ラブストーリー、ヒューマンドラマとして普通に感銘を受けていました。
タイトルの通り、彼にとって一番幸せな選択をしてほしいと願っていました。
たぶん、そこが私の中で一番大きかったかな…。
映画の序盤で、親友のレズビアンが結婚してくれるという話になったときに、
そんな相手がいるならそれでいいじゃんって、正直…そう思いたい自分がいました。
それはもちろん違法だとわかっているだけど、
バレなければ誰も傷つけていない気がしてしまっていました。
でも誰よりも自分たちが傷ついていますよね。
好きな人がいる街で住み続けるための方策だとしても、
自分の軸となるところを隠して、自分で否定していることになってしまう…。
あと、ニューヨークの街中のカフェで、
「おまえはゲイだからさー」というような会話をしていて、
観ている私がえっ!ってちょっと周りを見回してしまいたくなったり…
建前でない素のところでまだまだ私に偏見があるって痛感しました。
他にも姪が「おじちゃんは男の人が好きなのに何でアリ(親友の女性)と結婚するの?」
と普通に聞いているのを観て、
やっぱりそういうことを隠さず当たり前に知っていてほしいと思いましたが、
じゃあどうやって…?と思ったり。
子どもがもしそうだったら自分はどう対峙するのか?と考えさせられたり…。
多様性を認めるってどういうことか。
何か構えていた気がします。
いかに当たり前に感じられるか。でもそれだけでもない…。
まだ咀嚼しきれていないし、つたなすぎる感想で恥ずかしいのですが、
正直に感じたこととして…。
こういう物語やドキュメンタリーに触れることから
意識を変えていけることがあると思いました。
第22回東京国際レズビアン&ゲイ映画祭はまだはじまったばかり。
7月12日(金)〜15日(月・祝)まで渋谷で開催しています。
私が観た『幸せの選択』ももう一度上映がありますよ!(7/14(Sun) 18:05〜)。
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