2013年7月18日木曜日

モコレコメン:30年を経ての再会/展覧会「レオ・レオニ 絵本のしごと」

小学校の頃、年度始めに教科書をもらうのがとっても楽しみでした。
特に国語の教科書は、もらったその日には読破していた、という人は他にもいらっしゃるのでは?

国語の教科書に載っていた話というのは、大人になってもふと思い出したり、全く別の場所で子ども時代を過ごした人とあるフレーズを共通して覚えていてもりあがったりするものですね。

そんな私が一番印象に残っていたのが、ねずみがおもちゃのねずみと出会う話でした。
ストーリーもさることながら、強烈だったのはその美しい絵です。
「描いた」んじゃないよね?このぐるぐるした模様(マーブル調)はどうやってだしてるんだろう?

でもタイトルや作家などを覚えておらず、この話のこともたまに思い出すけど探し出すまででもなく…。
この話のタイトルが「アレクサンダとぜんまいねずみ」、作者が「レオ・レオニ」、絵本も出版されている(正確には絵本の刊行があって、教科書に採択された、という順序ですね)ということを知ったのはここ数年のことでした。


そんなわけで!とようやく本題。
8/4(日)まで渋谷の東急Bunkamura「ザ・ミュージアム」で開催中の「レオ・レオニ 絵本のしごと」展に行ってきました★


展覧会は会期末になると混むものですが、既に週末はけっこう混んでいて、物販コーナーも大賑わい、という話を聞き、急いで行ってきました。
平日の午前中、10時のオープン直後でも各展示を見るには少し列ができている、という状態。

ゾーンは4つに分かれていました。
こうした一人の作家の軌跡を追う展示会だと、時系列でその章が組み立てられていることが多いかもしれませんが、今回は時系列ではなく、絵本(生涯で40冊もの絵本を描いたそうです!)の根底に流れるテーマやメッセージによって分かれていました。

絵本の原画や資料などが、その絵本ごとに並べられています。


まず【絵】としての感想。

例の「アレクサンダとぜんまいねずみ」の原画もありました!
子どものときに不思議に感じていたことが判明。

コラージュだったんですね。
ねずみの体や耳、目、しっぽなど、いや、この絵本は基本背景なども全て、
色紙を切ったりちぎったりしたものでした。

地面やとかげの体などはマーブルに印刷された紙(もしかしたらご自身で染めたものもあるかもしれないです)だったのです。
また、何となくエキゾチック(という言葉は知らなかったけど)に感じられていたのは、千代紙などを使っていたからだ、と知ることができました。


その他の作品も見ると、さまざまな手法を使っていたことがわかります。
コラージュの他に水彩・油彩・クレヨン・色鉛筆などで描かれたものもあるし、
複数の手法を織り交ぜた作品もありました。
「ストーリーにもっともふさわしい手法を使おうと努めている」と語っていたそうです。

いずれにしてもその根底には圧倒的なデッサン力がある、ということは石のスケッチのコーナーで実感することができました。

彼が絵本をはじめてつくったのは50代に入ろうとするところで、
その時点で既に第一線で活躍する著名なグラフィック・デザイナーだった、ということでも納得できた点がいろいろ。

眺めていて感じられる、「完成されている」という気持ち良さは、
確かにデザイン性の高いポスターみたいだな、と。
しっかりデザインのスキルをもっているから、計算されつくした世界があるんですね。

それと「感情」みたいなものが共存しているのがすごいなと思いました。
ねずみはみんな同じ顔をしているし、工業製品のように無機質的なようでいながら、
すごく表現豊かで奥が深い、っていう独特な体験ができるってすごい。
解説によると、主人公の大きさや配置によって、心の動きや感情を見る側に伝えられるのも、グラフィック・デザイナーの仕事で培った手法なのだそうです。


もう一つは【主題】について。

それぞれの絵本が伝えたいメッセージ。
子どもはそんなにメタ的にこの本が伝えたいのは…なんて思わないし、そんなことばではないところで受け取って、密かに(自分でも気付かないところで)自分の中のなにかを形作るのかな、と思います。
それがその話をずっと覚えていたり、好きでい続けたりするという現象に残っているというか。

大人になって、こういった形で生涯のしごとを見せてもらうと、そのメッセージの深さとか、一貫性、それを絵本という形で表現しきることのすばらしさに感嘆します。
いくつになっても他の人とずれたことをしたくない、かと思いきや自分らしさを追い求めたいなんて悩むし。
「結局、選ぶのは自分」とか、もしかしたら今が一番実感しているかもしれないし。
決して絵本は子どものためだけのものではないんだなー。


展示会の構成や解説もわかりやすく、とっても好きな感じでした。
現在の国語の教科書も展示されていました。
かつての私のように、「アレクサンダとぜんまいねずみ」に心奪われている子どもたちがいるはず★

「原画」が発するエネルギーや色彩のあざやかさもすごかったです。
実は、帰って来てから絵本を見て実感しました。
原画のほうがきれいだったな…って思っちゃいました。
もう30〜40年たっているものなので、経年変化や汚れ、コラージュのズレなどあるんだけど、
やっぱり本物は違う…。

印刷された絵本は文字も載ってるしね。1970年代っぽいなーという文字組みのズレとか、最近はあまりつかわないなというフォントや微妙な文字間も、それは味があって好きですが。
もちろん絵本は図録ではないから、求めるものが違いますね。
だからこそ、こうして足を運んで原画をみるという経験にも意味があるのでしょう。


あと、きっと一番有名な作品は「スイミー」ですよね。
教科書に採択されているのも、こちらのほうが多いと思います。
お子さんが学校の宿題で「スイミー」の音読を自宅でしていた、と言っている人が何人かいました。

スイミーの原画は出ていませんが、スイミーの世界が映像になって、大きなスクリーンで見られるコーナーがあります。
自分も海の中にいるように囲まれていて、画面に近づくとさかなが逃げる!
楽しかったです。

まだ人ごみをかきわけずに買い物ができる物販コーナーは、かなり絞ったつもりですが、それでも普段の展示会のときよりもたくさん買い物してしまいました。

やっぱりグッズ映えしますよね〜。
こういうところでもグラフィック・デザイナーということを実感します。

特に買ってよかった!というのが「レオ・レオニ メモリーゲーム」。
神経衰弱ができるカードです。
絵柄が20種類以上!紙もしっかりと厚く、小振りなのもかわいいです。
3歳児ともぎりぎりゲームが楽しめることがわかりました。


絵本も日本語、原語(英語)、かなり揃っていました。
ようやく「アレクサンダとぜんまいねずみ」を購入し、30年ぶりに全文読み直しました☆
「スイミー」も!こっちはやっぱり私初読だったっぽいです。



「レオ・レオニ 絵本のしごと」展は、Bunkamuraでは8/4(日)まで(会期中無休)。
今後の巡回予定は
2013年12月7日-2014年2月16日 北九州市立美術館分館
2014年4月26日-6月8日 刈谷市美術館
とのことです。

Bunkamura開催の特設ページはコチラです。

  

2013年7月13日土曜日

モコレコメン:天気情報を読み解くための一生モノの知識/本『いのちを守る気象情報』(斉田季実治)

NHKの『首都圏ニュース845』や『NEWS WEB』の気象情報コーナーに出演中の気象予報士、斉田季実治さん。

斉田さん…ファンです☆
なぜなら、かっこいいから★
うっかりしていると、斉田さんに見とれてしまって、天気どうだったっけ…?と思ってしまいかねません。
いえ、この本を読んだらそんなことは言ってられない!

斉田さんのTwitterで、本を出されたことを知りました。
『いのちを守る気象情報』(NHK出版新書404)です。

まず「はじめに」を読み、気象情報を伝えるプロとしての使命感の強さに驚きました。
大学在学中に気象予報士資格を取得(とさくっと書いてありますが、難しいんですよね…)。新卒で入社した地方TV局では、報道記者としてたくさんの自然災害が起き、人がいのちを落とした「後」を伝えてきたそうです。
その人たちが正しい情報をもっていたら、いのちを落とさなくても済んだのではないか。だからそれを伝える「災害を未然に防ぐ『気象の専門家』」として生きていこうと決意され、この本を書くこともずっと心にもってきた目標だったそうです。

そういえば昨年、お世話になっているFM西東京の研修で、気象庁の方にお話を伺いました。
そのときに2008年に神戸の都賀川を襲ったゲリラ豪雨の映像を見ました。
監視カメラの映像を早回しにしたものだったのですが、声も出ぬ間に親水公園として整備された川が氾濫、遊歩道も埋まって行きました。
このときは橋の下に雨宿りしていた子どもたちが流され…亡くなった方もいたそうです(斉田さんの本でもこの事故は取りあげられています)。

私もこんな親水公園にいて夕立が来たら…
何の疑問もなく橋の下に「避難」して安心してしまうんじゃないか。
私がこの映像を見て一番怖いと思ったのはそれでした。

一つの知識があるかないかが明暗を分ける。
じゃあそんな知識をどうやって一つでも多く知っておくことができるか?
その方法の一つがこの本だと思います。

本では8つの大きな自然災害をとりあげています。
台風、大雨、雷、竜巻、大雪、熱中症、地震(津波)、火山の8つで、どの章から読んでも大丈夫。

特に印象的だったのは、今まさにリスクのある「熱中症」。
斉田さん自身が昨年熱中症になってしまったときの話にリアリティがあり、
誰でもあっさり熱中症になりうるし、知識がないとこれって熱中症なんじゃ…?と自分や家族も気付くのが遅れる危険があると知りました。

最近は決まり文句のように「熱中症にお気をつけくださいね」とかメールで書いちゃうけどさ…。それってどういうことか?ということを考えて危機感をもってその言葉を発しているか、受け取っているか?ですよね。


ある自然災害がいのちに関わるような事故となるかどうかは、その災害を受けた場所の環境、状況によっても変わるし、さらにそれを予測したり適切な対策をうてる知識があるかにもよる。
しかも、その知識があっても、油断や過信で行動が伴わなければ…。

私たちは心配だとたくさん情報に触れようとするし、今はネットもあるので簡単にアクセスできるようになっているけど、
その情報を「いのちを守る手段」にするためには、自分側にもベースとなる知識が必要なんですね。

この本は、その災害がなぜ起きるのかという気象学をわかりやすく噛み砕いた解説と、豊富な事例(たいていが人が亡くなった話なので心が痛みますが、これを読ませていただくことで無駄にはすまい、と思わされました)により私たちが取りうる術を知ることができます。

章の最後には、何か起こったときの状況に照らし合わせて判断できるわかりやすいまとめもあります。

自然災害を、「まさか自分に起こるとは思わなかった」ではなく、「いつかは自分に起こるかもしれない」と思うこと。
でも「いつ起こってもおかしくないんだよね…。こわいなー、どうしよう」と漠然とした不安のままにせず、事故を防ぐための科学的な知識をもち、具体的な対策を講じられるようにしておくこと。

しっかり肝に銘じ、家族とも共有したいと思います。


「お天気キャスター」って華やかなイメージで人気職業という感じですが、
「いのち」を左右する情報を提供する、本当に責任あるお仕事なんだなあ。

日々のお天気情報は刻々と変わる、賞味期限のある情報。
この本に載っているのは、その日々の情報を最大限意味のあるものとして受け取るための一生モノの知識で、いわば一般人にとっての気象情報のマニュアルだと思いました。

自分や大切な人を守るために、一日も早く、一人でも多くの人に手に取っていただきたい本です!
あー、ますます好きになってしまった…。

  

2013年7月11日木曜日

モコレコメン:読んだそばから「情報」の見方が変わるかも/本『メディアの仕組み』(池上彰×津田大介)

池上彰さんと津田大介さんがお二人で本を出した、ということをTwitterで知りました。
早速Amazonで検索してみたのだけど、ひっかかりません。
お二人の本なら「メディアの」くらいの検索で一番上にくると思ったのに。

Google検索してわかったのですが、この本初版はネット書店で販売しないそうなのです。
リアルの書店だけ、ということで翌日外出した際に購入。

「メディアの仕組み」(夜間飛行/池上彰×津田大介)です。
発行元はメルマガを発行する会社。初版を取り扱っている書店リストはコチラです。

お二人の対談を本にしたもの、ということでとても読みやすく、
寝落ちせずに済んだ布団の上で大半を読み、寝落ち。
朝ちょっと早く起きたのでそのまま続きを読んで読了。

津田大介さんは以前「情報の呼吸法」を読み、誠実で、人一倍努力され、やるべきことをやってきている方だなあ、だからネットで炎上しても動じず、ぶれないのだろうなあ(というのも偉そうな書き方ですが…)と感じて、Twitterを中心に発信されるものを追っています。今回本を読んで、ついに有料メルマガにも登録しようと思いました。

池上彰さんは…この本の中で津田さんが大学生のときに「週間こどもニュース(NHK)を見てびっくりした」と書かれていましたが、私が池上さんを認識したのはもっと早く(自慢?)、中学生のとき(私は津田さんの2歳下です)。

池上さんがNHKの記者として「首都圏ニュース」に出ていた頃なのですが、ニュースの最後にさりげなく(?)だじゃれをいい、その直後の沈黙のこちらの反応を伺っているような、笑いそうな笑ってなさそうな表情を見たときに、「このひと…NHKなのに…すごい!」と思ったのでした。

高校時代のアルバムを見ると、部活の休み時間のスナップに教室の黒板がうつっていて、そこに私が書いた池上さんの似顔絵が…。そんなに好きだったのか。

もちろん「週間こどもニュース」も見ていました☆
その後の活躍は広く知られるとおりです。


さて、本を読んでの感想ですが、
活字なのにここまで書いてある!と思った箇所がいくつかあり、おもしろかったです。

構成はこんなです。
第1章 テレビの仕組み(テレビにタブーはあるのか?)
第2章 新聞の仕組み(新聞は生き残れるのか?)
第3章 ネットの仕組み(ネットは世界を変えるのか?)
第4章 情報で世の中を動かす方法(事実とは何か? 真実とは何か?)
第5章 「伝える」力の育て方(世の中はそんなに単純ではない?)


第1章の「テレビの仕組み」は正直、もう少しこの対談を長く続けてほしかった…と思いました。
311直後に原発事故に関する報道をマスコミがなぜしっかりできなかったのかについては理解できましたが、ではその後は…?ということをもう少し知りたかったかも。

第2章の「新聞の仕組み」は特におもしろかった!
「あること」に触れられていたのが衝撃でしたし、そのことが意外なことに関係していると知ることができてびっくり。
ちなみに、こんな話題が出ていたとパートナーにしたら、即「読む!」と言っていました。

津田さんが示した2つの新聞社が生き残る道というのも、一つは既に知っている人は知ってることなのかもしれませんが、なるほど納得。

第3章の「ネットの仕組み」は、イスラム圏の民主化運動や中国の情報統制について、事例を挙げての解説がわかりやすかったです。
後半の「ネットリテラシー」についても、自分のリテラシー、これからネットに当たり前に触れて行く子どもたちのリテラシー、
ネット選挙が解禁となる一方、ネットでの失言が文字通り命取りになってしまうできごとも起きている政治家のリテラシーなどさまざまな側面からの指摘がありおもしろかったです。

第4・5章では池上さん・津田さん両者が「伝える」ということをどう考え、何に気をつけ、日々どう臨んでいるかについて垣間みることができました。
彼らが発信するものは頻繁に触れることができても、どういう思いがあり、特徴があるのかというのはあまり意識できていませんでしたが、読んでみるとものすごくおもしろくかったです。他の著書も読んだり、これから彼らが発信しているときにそのスタンスについても意識したりしてみます。

私も「伝える」ことは自分が生きていく上での大切なテーマです。
自分の伝える上でのスタンスはどうなっているか?どうしたいか?
伝えたいことを適切に伝えるにはどうしたらいいのか?
そもそもなぜ伝えたいのか?
…と考えていきたいので、ここについてはまた再読したいです。

そういえば、少し前にTBSラジオの荻上チキさんの「Session-22」で池上彰さんの現場にこだわる仕事術についての話がありました(本人出演ではありません)。
池上さんの気力、体力にびっくり。…彼にもほんとに1日24時間しかないのか?
Podcastもあります。10分くらいです。よろしければコチラから。

なお、この本、初版は電子書籍版の無料ダウンロードができるようになっています。
また、旬の話題もあるので、読みたいと思ったら先延ばしにしておく理由はないかなと思います。
せっかくなら参院選前に!で、選挙開票速報特番は池上さんが担当するテレ東を観たらより深読みできそうです★

最後に、なぜ初版をリアル書店での販売に限定したか、についてもその理由かなと思われる話が2、3カ所出てきます。
ブログの冒頭で、Amazonで検索したのに出てこない!と書きましたが、書名をみかけると、ほとんど無意識にAmazonで検索している自分に気づきました
ネットで購入できるのは便利で、特に産後は圧倒的に書店にふらっと行くことがなくなってしまっていましたが、あえて書店に足を運ぶようにしてみたいと思いました。

  

2013年7月7日日曜日

ラジオ放送後記:「まちともプラス/mokoscope第1回」ゲストは石井智美さん&土原悠香さん(ママイキ練馬主催)

FM西東京のゲストインタビュー番組『まちともプラス』の第一水曜日。
『mokoscope』の第一回!

栄えある第一回のゲストは、
「ママイキ199期@練馬」主催グループからお二人、
石井智美さんと土原悠香さんにお越しいただきました★


「ママイキ」は「ママのイキイキ応援プログラム」の略。
コーチングをベースにした母親向けの子育て講座です。
受講生からのクチコミだけで全国各地に広がり、今回ご紹介した練馬の回は「199期」!

私も過去に西東京で開催された5回コースを1回、
そのエッセンスを凝縮したスペシャル1回を受講したことがあります。
子育て、子どもや「ママ友」とのコミュニケーションといったテーマで、
いろんな事例を聴いたり、少人数に分かれて話したり…。
結局は自分の感情をどう捉えるか…ということなんだな、と学びました。

それは子育てに限らず、生き方全般を通していえること。
あるがままの自分を受け入れるということなんだけど、
ただ無責任にそう言いっぱなしにされるのではなく、
きちんと方法論も伝えてくれるのがいいんですよね。
これは私の個人的な感想です。
人によって響くところはいろいろだと思うし、子どもの年齢によっても違いそう。

この「ママイキ」の特徴は、そのプログラム内容に加え、
自分の街で「ママイキ」を開催したい!と思った母たちが
「主催」としてグループを結成し、企画・運営全般を担当すること。
無償ボランティアです。

今回練馬で主催をしているお二人にお話を聴き、印象的だったのは、
「地元でも開催して、他の人にも受けさせてあげよう」というスタンスではないこと。
「自分もあらためて一参加者として受けたい!みんなと共有したい!」という感じなんです。

実は、出演いただくのが決まってから、
あれよあれよと「ママイキ練馬」のお申込みが相次ぎ、
出演前に満席になってしまったんです
(現在、1日目の単発受講と3日間全体のキャンセル待ちを受け付けています)。

でも、「近隣で申込みを受け付けているママイキもあるし、
全国で聴けるなら全国で開催している『ママイキ主催代表』のつもりでお話したい!」
とおっしゃってくださいました。
自分の得た恩恵を後に続く誰かに返していく…。Pay forwardの精神なんですね。


先ほども書いたように、ママイキ主催は無償ボランティア。
でも会場は予約できるだろうか、経費がペイできるように受講者が集まるかどうか、
どんな方法でどのように発信すれば必要とする人に届き、背中を押せるか…などなど、
本当にお金をもらう仕事並みに考え、プレッシャーもある活動だと思います。

でもこの活動をきっかけにたくさんの人と出会い、深い関わりを築き、
自分も自信をつけて新しい活動へ発展していくんだろうな~と、
私の周りには主催経験者が複数いるので、その方たちを見ていて思います。

まさにこれも「はたらく」なんですよね。
私はこのお二人と、昨年の「NECワーキングマザーサロン」でお会いしたことがあったのですが、
土原さんとご一緒したサロンで私が
「働くことだけが社会とつながる方法ではないし、お金をもらうことだけが働くことでもない」
と発言したのをずっと覚えていて、主催をやってみようと思うきっかけにもなったとお伺いし…。
ものすごくうれしかったです!!

※NECワーキングマザーサロンとは
NPO法人マドレボニータとNECが協働して行っている社会貢献プログラム。
「母となってはたらく」をテーマに自分の想いを語り、分かち合うサロンを全国で開催しています。
5年目となる今年は12/1まで全国約40箇所で開催中!
西東京でも3年連続開催します★
詳しくはコチラへ。

石井さんは、昨年西東京でママイキがあると知ったとき、
これに参加するためにはまずは体力だ!
と思ってマドレボニータの産後クラスに参加してくださったとのこと。
これもうれしかった~★

マドレボニータとママイキ、お互い関係はないのですが、
個々人の中ではその2つがつながっていることが多い気がします。

ちなみにお二人、番組放送前の打合せのときはかなり緊張されていましたが、
本番にマイクを前にしたら、落ち着いてしっかりご自身のことばで
講座の魅力や想いを言葉にしてくださいました。
また、お互いが話したいことを話せるようにアイコンタクトをとりながら
代わる代わる話されるようすからも、
日頃のチームワークやお互いへの信頼感が垣間見え、じーんとしました。

***

お二人がご紹介してくださった「ママイキ199期@練馬」の概要はコチラ↓です。
※現在全体のキャンセル待ちまたは1日目の単発受講を受け付けています。

【日時】
1日目: 9月 1日(日)午前9:50~12:00 「聴く」 午後13:30~15:30 「承認①」 
2日目: 9月29日(日) 午前9:50~12:00 「承認②」 
3日目:10月27日(日) 午前9:50~12:00 「区別」 午後13:30~15:30 「価値」 

【講師】
1・3日目:山﨑洋実(通称:ひろっしゅコーチ)
2日目:小出ゆきこ(通称:ゆっきーコーチ) 

【場所】練馬文化センター 西武池袋線練馬駅(徒歩1分)

【受講費】 16,500円(講座代14500円(※)+会場費他2,000円) 
 ※ベネフィットワンの福利厚生が利用できる企業にお勤めの方は10%割引あり
 ※単発受講は6,800円(日割り計算による雑費込み)


【託児(満席です)】
先着10名(6ヶ月~) 託児代金:11,800円 

★ママイキ199期@練馬の詳細や申込みについては→主催のブログへ
★全国で開催中のママイキの予定については→ママイキのサイトへ


「名前はよくきく」「受けたみんながキーワードを言うから何か受けた気になってる」
…いや、百聞は一見に如かずだと思います(まさにエネルギッシュで「圧倒」されるひろっしゅコーチは「一見」してほしい!)のでぜひ★


次回の「mokoscope」は8月7日(水)。新月だー!
放送は12:00-12:45。ゲストコーナー部分は再放送が同日の19:00-19:30です。

また私がこの人の話を聴きたい!紹介したい!という方へ直接交渉してまいりますー。

お楽しみに☆

  

2013年7月6日土曜日

モコレコメン:多様性を認めるって…?映画『幸せの選択(第22回東京国際レズビアン&ゲイ映画祭)』

今、私の勤めるNPO法人マドレボニータには、
「ますくん」というインターン生(女子です)が来てくれています。

そのますくんとの顔合わせのときに教えてもらったイベント。
昨日から始まった「第22回東京国際レズビアン&ゲイ映画祭」
ますくんはボランティアスタッフとして関わっているとのこと。
今日は彼女のお勧めの数本から一つ、観てまいりました。

『幸せの選択(原題は"I DO")』→公式サイト(英語)はコチラ
ニューヨークが舞台で、一人のゲイの男性が主人公です。
イギリス出身の彼は就労ビザの更新が認められず、
このまま住み続けるには、アメリカ国籍のある人と結婚して、
永住権の取得を目指すしかなくなります。

そのため、レズビアンの親友と偽装結婚をしますが、
移民局からのいつどのように査察が入るかわからないという状況に
親友が耐えられなくなり、破綻。

州法で同性婚が認められているニューヨーク、
結婚しようと言ってくれるアメリカ国籍の恋人(もちろん男性)もいるけれど、
移民局は国レベルの管轄なので異性との結婚と同じ扱いにはならない…。

この男性はもうイギリスに知人もいないし、身よりもおらず、
不慮の事故で亡くなった兄のパートナーとその娘の生活を支えてきた事情もあり、
ニューヨークに住み続けたい…。

ネタばれになっちゃうのでここまでにしますが。

少し前にアメリカでビジネスを始めた友人から、
向こうには就労ビザが切れてしまい、
今さら国外に出るともう帰って来れないという人がたくさんいるという話を聞いていました。

アメリカ国籍のある人と結婚すれば、永住権が取得できるかもしれない…
という条件自体がどうなのか、ここは私は不勉強で何とも言えないのですが、
少なくとも、レズビアンやゲイの人たちは本当に好きな相手との結婚(同性婚)
という時点でそれが認められない
(映画では「申請してみることはできるがかなり難しい」という話になっていました。
ダメとなった時点で国外退去)ということは本当に不条理だと感じました。

同性との結婚が認められる、というのは一つのゴールかと思ってしまっていたけど、
さらに日本ではそれも本当にいつ叶うかわからないような話なわけですが、
その先にも問題はあるわけですね…。


…とこのような深刻な問題をあぶりだしている映画なのですが、
もっと単純なところで、
1時間半の映画を観ていく中で自分の意識の変容がすごくあったなと思います。

私、最後は大号泣でしたが、
もうそのときって彼がゲイだとか、そういう意識がありませんでした。
ラブストーリー、ヒューマンドラマとして普通に感銘を受けていました。
タイトルの通り、彼にとって一番幸せな選択をしてほしいと願っていました。
たぶん、そこが私の中で一番大きかったかな…。

映画の序盤で、親友のレズビアンが結婚してくれるという話になったときに、
そんな相手がいるならそれでいいじゃんって、正直…そう思いたい自分がいました。
それはもちろん違法だとわかっているだけど、
バレなければ誰も傷つけていない気がしてしまっていました。

でも誰よりも自分たちが傷ついていますよね。
好きな人がいる街で住み続けるための方策だとしても、
自分の軸となるところを隠して、自分で否定していることになってしまう…。

あと、ニューヨークの街中のカフェで、
「おまえはゲイだからさー」というような会話をしていて、
観ている私がえっ!ってちょっと周りを見回してしまいたくなったり…
建前でない素のところでまだまだ私に偏見があるって痛感しました。

他にも姪が「おじちゃんは男の人が好きなのに何でアリ(親友の女性)と結婚するの?」
と普通に聞いているのを観て、
やっぱりそういうことを隠さず当たり前に知っていてほしいと思いましたが、
じゃあどうやって…?と思ったり。
子どもがもしそうだったら自分はどう対峙するのか?と考えさせられたり…。

多様性を認めるってどういうことか。
何か構えていた気がします。
いかに当たり前に感じられるか。でもそれだけでもない…。

まだ咀嚼しきれていないし、つたなすぎる感想で恥ずかしいのですが、
正直に感じたこととして…。
こういう物語やドキュメンタリーに触れることから
意識を変えていけることがあると思いました。

第22回東京国際レズビアン&ゲイ映画祭はまだはじまったばかり。
7月12日(金)〜15日(月・祝)まで渋谷で開催しています。
私が観た『幸せの選択』ももう一度上映がありますよ!(7/14(Sun) 18:05〜)。

  

2013年7月3日水曜日

ラジオ:『kirakira☆アヴェニュー』最終回/7月からは『まちともプラス』に出演します!

2011年4月にスタートし、私は翌年の2012年春から関わってきたFM西東京の『kirakira☆アヴェニュー』。
7月からの局の番組改編に伴い、6月をもって終了しました。

先週の金曜日は最終回!ということで、
パーソナリティ5名、アシスタント1名、番組OG1名の総勢7名の「女子」でお送りしました☆
ヘビーリスナーさんからの差し入れや熱いメッセージをいただき、
OGさんからもプレゼント(プリザーブドフラワー!)も届き…。

↑みなさんに教えていただいてできるようになったミキサーに立候補(右端が私)
 (なのに冒頭のBGMやマイクがうまく入れず、最終回なのにきちんとタイトルコール入れられず…)

↑髪の毛ボサボサ>< 
…これはですね、そのオープニングのバタバタでヘッドホンをつけたり外したりしていたためです。
しかも私はヘッドホンを左だけあてて右ははずして外の音を聴きたいタイプなのでこんな感じで…(言い訳)。

↑本番終了直後の集合写真ー!
次の番組も同じスタジオで生放送なので、2分で入れ替わらなければならないのです。
感慨にふける間もなく外へ…w

さて、今までをちょっと振り返ってみますと、
kirakiraのパーソナリティ2名が転居などを機に卒業され、
ゆくゆくは一人で2時間生放送を担当できるよう目指してやってみない?という声をかけていただいたのが1年4か月前。
最初に「kirakiraトーク」コーナーにレポーターとして出演したときは、かなり細かく台本みたいなものを持参したものです…。

そこからアシスタントパーソナリティとして、曜日を決めずに4人のパーソナリティの番組に同席させてもらって、部分的に担当させてもらって覚えていきました。

2時間一人で…というのは「ワンマン」とよばれているもので、ミキサーも含めてぜんぶ一人でやる、ということです。
夏頃からミキサーの操作方法を教えてもらいましたが、最初はむ、無理だ…!と思いました。
残り時間も見ながら、しゃべりながら、次のBGMやCDを準備したり、電話をつないだり、
天気交通などの最新情報も確認して読み上げ、
リスナーからのメッセージはメール、Twitter、Facebook、FAXのどこから来るかわからないのでこまめにチェックって!!

でも…やるしかないと思ったらできるようになるものですね。
だって
未経験の私にやらせてみようと思ってくれた人たちの期待にこたえたいし、
引き受けた時点でそこがまず目指すべきゴールだってわかってたわけだし、
聴いている人やスポンサーさんには未経験とか関係ないし。

もちろん、みなさんのOJTがすごく自然でスムーズで、わかりやすく教えていただけたというのも大きいです!
年齢を重ねると、素直に謙虚に指摘を受け入れたり教えてもらったりというのが難しくなる…と一般的に言われていますが、あまりに今まで縁がなかった領域すぎて、ほんとに新卒のように教えてもらいました。

生放送なので、もしも失敗してしまっても、引きずるわけにはいきません。
かといって、また同じ間違いをするわけにもいかないので、
失敗したことの恥ずかしさだけはさっさと流して、教訓だけ心に残して立て直していく・・・みたいな気持ちの切り替えもけっこうできるようになりました。

これってラジオに限らず、人前で表現するときに大切なことだと思います。

でも振り返ってみると、ワンマンデビューが10月末というのは、ちょっと時間がかかってしまったな…自分がもっとドライブをかけていくべきだったと申し訳なく思っています。


カミカミになってしまったり、ミキサー操作にあたふたしたりしながらも、
どんなテーマでどんな情報を伝えたいか?というのは早いうちから楽しみながらやっていました。
振り返れば私のFMとの関わりのはじまりは、ある番組の市民レポーターです。
だからこれを伝えたい!紹介したい!という気持ちはもともとすごくあるんだなあと思います。

そんな中で特におもしろい!と思ったのがゲストインタビューです。
実は記念すべきワンマンデビューの日もゲストに来ていただきました
そのときの様子はコチラ。ゲストは野本ゆみこさんでした)。

誰に来ていただくか、お願いして来ていただけるか、
来ていただいてどんなお話を伺えるか。
すごくパーソナリティとしての介在価値を感じました。
「どんなお話を伺えるか」は、ゲストのみなさんがお話上手で本当に助けていただきましたが^^

通常のテーマ以上に緊張するけど、スタジオであたらめて伺うと、知らなかったことがいっぱいあって、楽しい!

また、風疹の流行に関しての産科医太田寛先生のインタビューは、
こうして番組という場があったからこそ専門家にお話を伺えました。
さらにそのインタビューの書き起こしをブログに掲載(コチラです)することで、
13000人近い人にその情報をお届けすることができました。
すごいことだと思うと同時に責任の重さも感じます。

6/24(月)の私のkirakiraワンマン最終回では、
ゲストにお呼びした6組の近況をご紹介したのですが、
何とお願いした6組全員がメッセージをお寄せくださり、感激でした…!

Facebookのアカウントをお持ちの方は、コチラからその概要をご覧いただけます。

毎回リスナーさんや友人、家族がいろいろメッセージを送ってくれて、
うれしかったですし、本当に助けていただきました。
決まった時間にラジオをわざわざ聴き、しかも決まったテーマについて考え、
言葉にして送ってくれる…って普段習慣ない人には大変だし、面倒だと思います。

なので本当にありがたかったです。
私にできることといえば、送っていただいたメッセージを全部紹介することを目指す!ということでした。
あらためまして、ありがとうございました。

***

そんなわけで、kirakiraは終わってしまうのですが…
なんと7月からは月1回、ゲストインタビューの番組を担当させていただけることになりました★

6月まで12時台の「◯◯ランチボックス」内の1コーナーだった「まちとも」が、
12:00-12:45の45分番組「まちともプラス」として独立。
その第一水曜日を担当します!
30分間のゲストコーナーの前後には、フリートークや交通天気情報もお届けします。

さらにこれからは何と夜も再放送で聴けてしまいます☆
ゲストコーナーを19:00-19:30で再放送です。

担当する第一水曜日は「mokoscope」というサブタイトル(はい、このブログのタイトルと同じです★)で、
私「もこ」が気になる!という方をお招きし、その方の活動や今までの話、これからの夢をお伺いしていきます。
みなさんにもご参加いただけるイベントなどの情報もご紹介します。

ちなみに、「mokoscope」とサブタイトルを付けたい、とお願いしたのは私です。
自分ができる発信とは何か、しかもひとりよがりではなく、喜んでもらえるものは何か?
…と真摯に考えて丁寧にお伝えしていきたいと思います。

早速明日7/3(水)が記念すべき第1回!
ゲストは「ママイキ練馬」主催の石井智美さんと土原悠香さんです。
コーチングをベースにした母親向けの子育て講座、ママイキ。
私も昨年西東京で開催された際に受講しています。

受講生からのクチコミだけで全国各地に広がっているこの講座は、
自分の地域でママイキを開催したい!という母たちによる「主催」という活動がユニークなのです。
一つの地域活動、社会貢献、お金の報酬はないけれど「はたらく」の一つだなと思っているので、
その具体的な内容ややろうと思ったきっかけ、
やりがいについてじっくりお伺いしたいと思っています。


ぜひこれからもFM西東京をよろしくお願いします!!
「まちともプラス」はもちろん、
「kirakira☆アヴェニュー」だった時間帯(平日10-12時)に始まった「Pop'nタワー♪」もごひいきにー。


☆放送の聴き方☆

(1)西東京市周辺の方は、FMラジオを84.2MHzに合わせて聴く

それ以外の地域のかた、西東京周辺でも電波状況が悪いかたは以下の方法で。

(2)インターネットサイマルラジオで聴く
→ただPC環境によってはダウンロードが必要な場合があるので、事前にご確認をお勧めします。

(3)スマートフォンをお持ちの方は無料アプリ「TuneIn Radio」でも聴けます
→全国のコミュニティFM放送をはじめとして、海外のラジオ局の放送なども聴けてしまうオススメ無料アプリです。
・Google Play: https://play.google.com/store/apps/details?id=tunein.player&hl=ja
・App Store: https://itunes.apple.com/jp/app/tunein-radio/id418987775?mt=8