2014年7月31日木曜日

モコレコメン:マネジャーが見ている景色/本『駆け出しマネジャーの成長論』(中原淳)

産休入りして最初に読了した本。

マドレボニータの「にんぷクラス」の同期が立ち上げてくれた「育休勉強会」の参考図書というかたちで偶然出会いました。正直、30歳前くらいにこの本があって、読めていたらなあ…と思います。でも今からでも出会えてよかったです。

組織のマネジャーになって日が浅い人(まさに駆け出し)、もしくは近々その機会があるかもしれない人をターゲットにした本なので、そのどちらでもない私の感想は一般的なものではないかもですが…。

マネジャー(管理職)になるということは、その人の中で大きな転換点であろうということは想像に難くなく、でもある年度やクオーターを境に(もしくは転職などを機に)ほとんど準備期間をもつことなくいきなり迎えることだと思います。仮に「そろそろかなあ」と予感はしていても、それまでの間に具体的に何かを備えるための方法なんてなかったかと。
これからは、少なくともこの本を読むという備えはできますよー!

漠然と「プレイヤーとはぜんぜん立ち位置も仕事の内容も考え方も変わるんだろうなあ」とは誰もがわかってることだと思いますが、本書ではその変化が論理、体系だてて解明されています。キャリア論は関心領域なので(それで人材業界にも転職したこともあり、今は仕事としては離れたけど好きな領域であることは変わりない)、そういう意味でまずとても面白かったです。
その上、読み手(冒頭の想定されるターゲット)がそれをどういう段階でモノにしていけばいいのか、順を追って語られていきます。最初は「マネジャーとは何か?」を言語化するところから始まるのです。
また、そのモノにしていくステップについても冒頭で明確にされています。いまココ!というのが明確です。それも読んでいてとっても心地よかったです。そういうことを求めてけっこう新書に手を出すのですが、新書のテイでも中身は随筆って本がわりとあるなあという中で、おお、新書を読んだ!という満足感がありました。

アカデミックな手法、数値的根拠を示しながら、綿密なフィールドワークに基づく研究で、随所にヒアリングした現役マネジャーの言葉の引用、適度なメタファーでの表現もあり、とても実践的で現実離れしていないのもよかったです。
研究者としての客観的な目線は保ちつつ、根底に流れているのはマネジャーになる誰もがこの機会を活かし、不当につまづいてしまうことなく、一つ上のステージで輝いてほしい…というような著者の暖かい気持ち、励ましであることを感じ続けながら読み切りました。


私自身は過去に勤めた2社でもマネジャー経験はなく(チームリーダーまで)、今の組織も企業体をそのままあてはめることは難しい環境です。
でも、過去の2社(タイプがぜんぜん違う)で所属した組織を振り返りながら上司と、プレイヤーだった自分のことを考えて「この本を読んでいたらもっとマネジャーから学べたし、不要な軋轢(そんなにもめる部下だったとは思いたいですが…w)をうまずに済んだし、プレイヤーとしてももう少し違う成長ができたかもしれないな」と思いました。
また、現状にしても、NPO法人という企業とは違う組織体、スタッフはほぼ全員プレイヤーで少人数でなんでもやっていかなければならない=「全て実務」であるように見える…
のですが、であればマネジャー視点やマネジャー的動き方は不要か、というとそうではなく、むしろ逆!と気付きました。

企業とは違う多様なステークホルダーがいる中での仕事なので、上下関係はなくても話の通し方、おろし方などはポイントやコツがあります。「実務をこなす」という視点だけでいると、同じ仕事でもその後にもたらす意味や成果が違ってきてしまうかもと思いました。

また、小さい組織だけど裁量権はかなりあって、事業の規模でははかれないインパクトを生める可能性もある仕事なので、企業体では得られない種の知見、大きな学びはあり、ややもするとそこで満足してしまいがち…。でも一方で意識していないとこのマネジャー的な仕事のスキルを養い損ねてこれからの30代最後〜40代前半を過ごしかねないなと思い、今の環境の中にあてはめながら意識して仕事していきたいと思いました。

…なんて偉そうに書いていますが、実はこの本の前半を読んでふむふむと思っていたところで1回目の勉強会があり、あるケーススタディをしたら、多少マネジメント視点もあったものの、大半のプレイヤー視点の中に多少埋もれてるくらいの感じでした…。読んでたのに、ぜんぜん立ち位置をかえて見てみるという意識すらなかった><
だから、読んで、知識として賢くなった!ではかわらないということですね。その経験を平行してできたのもありがたかったです。

最後に純粋な感想として、「この本を読んでいる(または読んでいなくても自然にこれが体得できている)マネジャーとそうでないマネジャー」と考えたとき、どちらになりたいか?と問われればもちろん前者、どちらの下で働きたいか?と問いを変えても圧倒的に前者だと思いました。
というわけで、当事者、部下、上司、誰にとっても意義深い本です。


  

2014年7月29日火曜日

サンゴノソナエ(7):産褥ヘルプの産前準備(その2:ヘルプ表作成)

妊娠37週、正産期に入りました。
37週0日〜41週6日の間に8割の赤ちゃんが産まれるそうです。
そんなわけで、もうこの投稿が「サンゴノソナエ」最終回になるかもしれません。

ここ最近でやった準備としては…

★入院セットをつくる
これはほんとは29週くらいからやっておいたほうがよかったそうですが…。
分娩する産院でもらったリストを参考に、出産〜入院中〜退院までに必要なものを、
入院するときにさっと持っていけるようにバッグにセット。
産院に準備してもらえるもの(つまり分娩費用に含まれているということですが)と、
事前に準備して持参するものがあって、それが産院によってもちょっと違います。

あとは指示はないけど、自分が持っていきたいものもありますよね。
私の場合は、バランスボールとか(陣痛逃しに弾めたらなあ、と思ってます)。

日常でも使っているものは今からバッグにいれておけないので、
それもリストにしておきました。
これで陣痛の合間にあまり考えずに準備できる…はず。

そういえば、退院時に自分が着る服というのももちろん持ち物に含まれるんだけど…。
1人目出産のときは妊娠前に穿いていたジーンズ(ちょっとゆったりめ)を持っていったのにぜんぜん入らなくてショックだったなあ。
今回はもちろんマタニティのボトムズにしますが、つまり今現役まっさかりなので、こういうものはあらかじめバッグに入れておけないわけですねw


★結婚指輪をはずす
これも産院によっては妊娠6ヶ月くらいで外すように指示してくれたりするようなのですが。
ここにきて浮腫(むくみ)に悩まされており、結婚指輪が痛い〜となって、苦戦しながら何とか外しました。

外した後に検索してみたら、
帝王切開などの手術の場合は、原則指輪など金属は全て外さなければならないそうです。
今のところ帝王切開ではないけど、何らかの事情で緊急帝王切開になる可能性は誰でもあります。
そのときにいざ外そうとして、むくみなどで外れないと指輪を切ってでも外すことになるとのこと…!
何とか気付いて外せてよかった…。
指輪を切るのももちろんいやですが、切るにしたってそこで何分かロスするって危険ですよね。
知らなかった私もよくないですが、もう少し常識として産院で案内してもらえたら…母子手帳に書いてもらえたら…と思いました><


★消耗品のストック購入
既に何度もブログで書いている通り、産後約1か月は外出できないので、
向こう1〜2か月でストックが切れそうなものは購入。
もちろん買ってきてもらったり、代わりに通販で注文してもらうこともできるけど、
確実にそうなるとわかっていることなら今のうちに…ということで。

買ったのは使い捨てコンタクトレンズ、洗顔料、化粧品、洗剤、シャンプー類など。
調味料もお酢や油のストックを早めに買ったり、切れた醤油はいつもより大きめのを買ったりしてみました。
普段も発生している出費だけど、ちょっとまとまると金額大きい。しかも買ってうれしいものじゃないし><
でも、チリツモながら、その分産後が少し快適になるはず…。

***

さてさてようやく本題ですが、
前回、前々回で紹介してきた『産褥ヘルプ』の準備も大詰めということで、
やっと「ヘルプ表」をGoogleドライブにアップして、ヘルプをしてくださるメンバーに公開しました!

産褥ヘルプとは…?という方は、よろしければ2つ前の投稿「サンゴノソナエ:産褥ヘルプの2大誤解と産前準備(その1)」からお読みいただければと思います。


なぜ「ヘルプ表」が必要なのでしょうか?

産褥期、いろんな方に家に来ていただいてヘルプをしてもらうのですが、

  • この日はどんな予定になってるのか?
  • 誰がいつ来てくれるのか?(逆にどの日が今のところ誰も来る予定になってないのか?)
  • それぞれの日にお願いしたいヘルプは何か?
  • 近況はどんな感じなのか?(母乳のために食事制限してるかどうかや上の子の様子など)

…というようなことがわからないと、どの日に行けば助かるのか、行ってもいいのか、
どんなことをすれば一番助かるのか、わからないですよね。

手伝いたい気持ちがあっても、なかなか産褥期のうちにヘルプに行けないのは、
実はこの情報がわからないから、というのも大きいのではないかと思います。

もちろん夫がマネジメント担当として状況を把握して、ヘルプしてくれる人それぞれからの問い合わせに対してやりとりをしてスケジュールを埋めていく…ということもできなくはないです。
でもやりとりが煩雑ですし、そのやりとりが他のヘルプしたいメンバーから見えません。
決まっていることは問い合わせを受けなくても、ある場所に公表しておけて、ヘルプメンバーがそれを見て確認できたり、自分の意向をそこに入れておけば夫も他の人も見られる…となっていたら便利です。

そんなわけで、マドレ式産褥ヘルプでは「Googleドライブ」を使って、ヘルプのシフト表や必要な情報をヘルプメンバーにネット上で公開します。

スプレッドシート(Excelに代表される、表計算シート)で作った表をネット上に共有して、URLをヘルプメンバーに伝えます。
メンバーはパソコンやスマホからそのURLにアクセスして、予定を確認したり、自分が行ける日を書き込んだりします。
ヘルプの後に振り返りや申し送りを書いておくと、夫も状況が把握できるし、翌日以降ヘルプに行く人の参考にもなります。

膝をつきあわせて1枚の表に書き込んでいく感じ…Googleドライブなら、そんなことがネット上で、特別なソフトをインストールせずにできます。

「Googleドライブ」GmailなどGoogleのアカウントをもっていればすぐに作れますし、アカウント持っていなければ無料で作れます。作った表はアカウントを持っていない人でも見られる設定にすることも可能。
http://drive.google.com/ 


シートは表計算ソフトのように何枚か横に並べていけるので、
シフト表の他にこんなシートを作っておくとよいようです。

  • お願いしたいヘルプについて
  • 家族の情報(上の子の性格や食べ物の嗜好、自宅までのアクセス情報など)
  • 上の子の保育園情報
  • ヘルプメンバー自己紹介欄(簡単な自己紹介と、主にヘルプにこれそうな曜日や時間帯、できそうなヘルプ、旅行や仕事などでNGな時期などの情報)

とはいえ、どんなものか、文章だけではちょっとイメージしづらいかも、ですよね。
実際のシートをブログで全世界に公表してしまうわけにはいかないので、
ヘルプ表の記入例の欄のスクリーンショットを載せてみます(横長なのでちょっとみづらくてすみません。クリックするともう少し大きいのが表示されます)。
例えばこれは「産後12日目」を想定した例。このような行が産後1日目から産褥期終了までタテに並んでいくわけですね。


なお、この項目もこれが「決まり」「正解」ではなく、今までの経験と我が家の事情からこんな項目があるといいのかなあ…というのを現時点で想定して作ったものです。
ヘルプを進めながら増えたり減ったり書き方を変えたりするかもしれません。
文末にご紹介している『産褥記3』では、もっと詳細な表が掲載されていますので、ぜひそちらをお読みいただきたいです!

ちなみに、産前の今は夫を中心に、私もこのシートの編集などをしていますが、
出産後、産褥期本番は、産婦はアクセス厳禁!(パソコンやスマホを見ると目によくないからです。視力低下も招きますし、視神経を刺激して、子宮の戻りなど産後の母体の回復を妨げるそうです)
このシートを介してヘルプメンバーとのスケジュール調整をするのも、このシフト表に入力されて決まった予定を産婦に伝えるのも夫の役目です。

もっと詳しく知りたい!自分たちでもやってみたい!という方は、
NPO法人マドレボニータで出版している書籍があるので、そちらをぜひお読みください☆
書籍の利益は、「産後ケアが当たり前になる社会」をめざすマドレボニータの活動のために大切に使わせていただきます。

『産褥記2』…この産褥ヘルプをはじめた吉田紫磨子(マドレボニータ理事/産後セルフケアインストラクター)の第3子の産褥期のヘルプの記録
→マドレボニータのオンラインストア『マドレストア』で好評発売中★
『産褥記3』…2014年7月末に完成したばかりの新刊!吉田紫磨子の第4子の産褥ヘルプの記録に加え、他の人の産褥ヘルプ体験談も掲載★
→こちらも「マドレストア」で販売開始しました!


  

2014年7月15日火曜日

サンゴノソナエ(6):産褥ヘルプキックオフ/マンション友編

先日、土曜日に産褥ヘルプキックオフをした話を書きましたが、
今日(平日の午前中)はキックオフの2回目、マンション友7人が来てくれました。

うっかり身支度とか掃除に時間がかかってしまい、飲み物買ってこれないうちに約束の時間に…。
でも手分けしてお菓子と飲み物、紙コップも持参してくれてました!
私、大皿出しただけ…。

全員同じマンションなので部屋の場所もわかっているし、台所を使うよりは家で作ってお鍋ごともってこれるような感じ。水回りも一緒。だからその確認はほとんど不要。

なので、ほとんどお茶を飲みながら話していたのですが…。
質問やアイディアが超具体的!

「いつごろ出産になりそう?」から始まり、
  • 保育園の送り迎えはどうするの?
  • 保育園から帰ってきた後、上の子のお風呂が大変じゃない?
  • 入院中の上の子、保育園にいる以外の時間はどうするの?入院してるからもこちゃん完全に家にいないでしょ?
  • もう少し上の子と顔なじみになってないと、自分の家で子どもと一緒に預かるときに不安になっちゃうかもしれないから、産まれる前に少人数に分かれて遊んでおいたほうがいいかも
  • その日ごとに何をやってほしいか、具体的にGドライブのシフト表に書いてもらえば手分けしてこれができる、とか決められるから助かる
  • パートナーがお迎えに行く予定でも電車が止まったりするときあるよね?そのときはFacebookグループで投げかけてもらえれば声かけ合って行けると思う
などなど…。

私、今回は計画無痛分娩を希望しており、でもまだ実施日が決まるのが少し先…で予定が立てづらいという事情はあるものの、あまりに質問に答えられず、まだまだ想定しきれていないことを痛感しました(自然分娩だったらもっと予定立てづらいのだから、これは言い訳になってないですね)。

実は今日来てくれた人の多くは、産褥ヘルプ経験4回目くらいなんです。
もともとはこのマンションができる少し前にmixiで入居予定者のコミュニティができ、そこから派生した子どもが同じ学年生まれというコミュニティで出会いました。
はじめてのオフ会をマンションの1階でやったときに震災が起きたんですよね…。
あの不安定だった時期も、お互いの存在が本当にありがたかったです。

その後、保育園や幼稚園に分かれて頻繁には会ったり遊んだりできなくなってしまいましたが、第2子誕生ラッシュになり、マイタウン出産(里帰りしない)や産前の管理入院になってしまったメンバーがいたときは、産褥ヘルプをしてきました。
だから本当に頼もしい!
職場関連の仲間のヘルプは、日中が中心になると思うので、超ご近所のマンション友には夕方~パートナーの帰宅の時間帯もお願いできるのが助かります。

あと、「産後に本当にしっかり休まないと、あとに響くよ〜」と言われました。
仕事柄、頭でわかっているつもりのこれからの私とは圧倒的に違うリアリティが…。
「上の子がいる産後」も、想像を遥かにこえて大変なんだと再実感…。

あらためて、みんなの力を借りてしっかり休もうと思いました。
途中、みんなの気持ちがうれしすぎて何度か泣きそうになってしまいました。
パートナーとももう一歩具体的に詰めて、今日答えられなかったところをしっかり伝えます!

  

2014年7月8日火曜日

サンゴノソナエ(5):産褥ヘルプの2大誤解と産前準備(その1:FBグループ作成&キックオフ開催)

34週に突入しました。
週数を聞いてもぴんと来ない方もいらっしゃると思いますが、
37週からが「正産期(いつ産まれても大丈夫な時期)」、40週0日が「予定日」です。

普段から婦人科検診などで通っていた駅前の産婦人科(分娩なし)で検診を受けてきまして、30週からは分娩予約をしている病院へ転院して検診を受け始めました。

転院したときに調査票みたいなのを書いたのですが、その中に「出産して退院後はどこで過ごしますか? (1)実家 (2)義理の実家 (3)自宅」という質問がありました。
「(3)自宅」に◯をしたら、コンシェルジュ(という人がいます)さんに「産後サポートしてくださる方はいますか?」と聞かれ、「はい、友人たちに手分けしてヘルプしに来てもらいます」と答えたところ、調査票に”産後サポートOK”と書き込んでいました。
どんなイメージをされているのかわかりませんが…。

でもこのような確認をする病院はまだまだ少ないでしょうね。
さすが、父親学級の初級編を株式会社アイナロハの渡辺大地さんが担当している病院だけある!
※アイナロハでは所沢周辺エリアで「ままのわ」という産前産後の子育て・家事サポートサービスを展開されています。西東京市も対象エリアです☆


さて、その「友人たちに手分けしてヘルプしに来てもらいます」の準備について、そろそろ書いていきたいと思います。
それは、NPO法人マドレボニータが提唱している「産後ヘルプ(産褥ヘルプともいう)」という方法です。

産後ヘルプについては、過去にこのブログでも書いたことがあります。
僭越ながら「わかりやすい」とのお声をいただいたこともありますので、よろしければこちらをご参照ください。

産前産後アレコレ:「落ち着いたら赤ちゃん見に行くね〜」がベスト?!

このしくみ、先日代表の吉岡マコもFacebookに投稿していたのですが、
よくみられる2大誤解というのがございます。

(1)マドレボニータの「事業」「サービス」だと思われる
マドレボニータの人が産後サポートに来てくれるサービス…ではありません。
産褥婦が心身ともにしっかり休むことが必要な産褥期を、身内だけで何とかするのではなく、まわりの人の力も借りて豊かに乗り切る…ということを「文化」にしたい!と提唱しています。
なので、別にマドレボニータの関係者でなくても、産後クラスのOGでなくても、
産後を迎える人は誰でも自由にやってみていただきたいと思っています。
また、「出産祝い」かわりなので、お金を払ってお願いするものではありません。

(2)産褥婦とその女友だちだけでおこなって、産褥婦のパートナーはノータッチ、仕事方面で頑張ります!…?!
いえいえ、この産褥ヘルプのプロマネは、パートナーです!
産前のうちに進める準備は夫婦揃って。
産後は男性が前面にたち、ヘルプをしてくれる人との連絡、スケジュール調整などをします。
ヘルパーなどの有償サービスや親のヘルプと併用するなら、その手配や調整も。
ヘルプをする人も平日に女性が…とは限りません。
平日仕事の男性だって、休日に来て沐浴とか、上の子を遊びに連れて行くとか、できることいっぱいあります(もちろん料理などの家事だって、性別不問ですよね?)。


このヘルプ、まだまだ進化し続けています。
2010年にマドレボニータは『産褥記2』という本を出版し、
Googleドライブを活用したシフト表などの方法を紹介しました。
間もなく発売される『産褥記3』ではさらに進化したヘルプにおける工夫やいろいろな家庭でのヘルプの様子が紹介される予定です。

今回、我が家は里帰りをしないで、自宅で産褥期を過ごすことに決め、まわりの方に声をかけ、産褥ヘルプをお願いすることにしました。
実家は車で1時間程度なので、2週間泊まり込み…ではなく、週1回1泊2日で来てもらう、というのを細く長くしてもらおうと話しています。

『産褥記2』や近年出産して産褥ヘルプをしていた知人たちのケースから学ばせてもらいながら、先月ごろから少しずつ準備を始めました。


●準備1:Facebookグループの開設
前述のとおり、産後に具体的なヘルプがはじまってからのシフト管理はGoogleドライブを使うのですが(この準備については次回書こうと思います)、最近はFacebookグループとの併用をよくしています。
確かに、ヘルプが始まる前のご挨拶や各種ご案内、メンバー間のやりとりなど、双方向型のコミュニケーションはFacebookグループの方が向いているなあと思います。

また、産後にヘルプが始まってからも、急ぎの連絡は「自分から見に行かないと確認ができないGoogleドライブ」よりも、プッシュ型(トピを立てればグループに所属するメンバーのタイムラインに表示されて気付いてもらえる可能性が高い)の発信ができるFacebookグループのほうがいい場合があります。もちろん、その結果誰がいつどういうヘルプをすることになった、という情報はGoogleドライブに入力して、情報を集約させたほうがいいです。
GoogleドライブとFacebookグループの組み合わせ、相互補完できてとってもいいです。

先月、「太田家産褥ヘルプ」というグループをつくり、夫婦で管理人になりました。
事前にお願いをした人、「ヘルプするよ」と前から言ってくださっていた方、マドレボニータのスタッフやインストラクターで比較的近所の人は事後承諾で、メンバーに入れさせてもらいました。
最初の投稿は、夫婦からのご挨拶。私と夫、それぞれで投稿しました。
こんな画面です。実際は秘密のグループの設定なのでご覧いただけませんが…


●準備2:産褥ヘルプキックオフ開催
これもここ1〜2年でよく行うようになったのですが、事前に自宅を開放して、ヘルプをしてくださる方に来てもらう、という行事です。
一見楽しいホームパーティですが(で、実際とっても楽しいですが^^)、
目的は…

(1)自宅の場所と自宅の様子を見て、知ってもらう
やっぱり産後に産褥婦が道案内をするのは大変なので…、一度来ておいてもらうのはとても安心です。
もちろん、産後初めての訪問でも大丈夫なように、道順や家の様子はGoogleドライブにもしっかり記載します。

(2)パートナーや上の子と仲良くなってもらう
産後は産褥婦を介さずにコミュニケーションしてもらうので、お互い見知っておいてもらうことがとっても大事。
また、第2子以降は、「上の子のケア」というのも産褥ヘルプのかなり大きな役割なので、上の子がどんな子かを知ってもらい、子どもも「この人こないだ会った人だ!」という状態になっておいてもらえるとヘルプがスムーズになります。

我が家のキックオフは先週土曜日だったのですが、その告知や出欠確認もFacebookグループ内の「イベントページ」で行いました。

いろいろな準備をしなければ…と思いながらも日々の仕事や生活でなかなか進まなかったりするのですが、キックオフをすることで、いくつかのタスクをその前に済まさざるを得なくなる、というのもメリットの一つかも、と思いました。

例えば
●家までの道順のドキュメントを作成
我が家は最寄りがバス便で、マンションの駐車場・駐輪場は無料だけど手続きが必要で、また大きなマンションゆえ普段の知人の来宅でも入口から部屋までたどり着けずに迷子になる人続出><…という立地。

そこで夫がバス停から部屋までの何箇所かの写真を撮影し、細かい道順とバスの時刻表のURLなども記載したドキュメントを作成してくれました!
これをPDFにして、Googleドライブにアップロードし、URLをFacebookグループでシェア。
実際、キックオフの日に「場所がわからない〜」と連絡をしてきた人はゼロ!!
これならヘルプで初めて我が家に来る人も大丈夫だと安心しました^^
これは永久保存版にして、今後も来客があったときに使おう☆

●台所の整理とラベリング/「洗濯物の畳み方」シート作成
ヘルプでは自由に台所も使ってもらうのですが、どこに何があるのかはその家によってさまざま。
というわけで、どこに何があるかを付箋に書き、マスキングテープで留めておきます。
流しの下の引き出しはこんな感じ。

これは、友人のヘルプに限らず、ヘルパーさんや親にお願いする場合にもオススメです。
「◯◯はどこにあるの?」と聞いたり、聞かれたりするのはなるべく少ない方がいいです。
聞かれてばっかりだったら休むにも休めませんし、ヘルパーさんの効率も悪くなります。

もう一つの「洗濯物の畳み方」、これはぜんぜん必須ではないですが…。
私たち夫婦がしてもらえたらとってもうれしいヘルプって何?と考えました。
洗濯物を畳んでもらえたら、しかも、できれば普段畳んでいるのと近い形に畳んでもらえたら、帰宅した夫がすぐにしまえて、すごくうれしいなあと思いまして…。
けっこう私が畳み方を決めているタイプなので、僭越ながらできればこうしてほしい、というのを紙に書いておくことに。

もちろんこれは、キックオフに必須ではなく、産まれる前までに書いておけば大丈夫です。
でも、完成していたので何人かの方にはこういうの作ってあるので〜と見せておくことができました。
また、直前はどうしてもバタバタするので、余裕があるうちに作っておけたのもよかったです。

こうした家事を事細かに指示することが必須なわけではありません。台所はわかりやすくしておいた方がいいと思いますが…。
例えば沐浴などは、私はその人のやりやすい方法それぞれでやってもらえたらいいなあと思っています。
第3子と第4子の産後に産褥ヘルプを募っていた、インストラクターの吉田紫磨子さん(『産褥記』シリーズの著者でもあります)は、「洗濯物、いろんな人が畳んでくれて、自分が思っている方法以外にいい方法があるのを知ることができた」と言っていたので、そういうチャンスでもあるのかもしれないですね☆

一方で、このシートを見た友人は、「お料理を頻繁にするのは大変だけど、洗濯畳むんでいいんなら近いし短時間で何回か来れるよ!」と言ってくれました。
事細かに手順を書くかどうかは別として、お願いしたいヘルプを具体的に伝えることで「それならできる」と手を挙げてもらいやすくなる、というのはありますね。
それはGoogleドライブで記載する欄を作ることが多いです。

さて、実際のキックオフはホストだったので、あまり写真を撮る間もなく…
後から数えてみたら大人21人、子ども23人が入れ替わり立ち替わりいらしてくださいました!
あきらかにキャパオーバー、夏だからベランダまで使ってスペース的に何とか…という感じでした。

でも本当に楽しかった!感謝感謝の一日でした。
夫婦でホスト、のつもりでしたが、私も身重だし、目的としてはやはり夫が前面に…と積極的にいろいろやってくれたので助かりました。
男性も5人来場!もともとは私の仕事仲間のパートナー…ですが、今は直接連絡を取り合う仲。今回も彼らは連れてこられたのではなく、夫を助けたくて会いにきたのだと思います☆

当日の様子は紫磨子さんのブログの方が詳しいです(笑)。
たくさん写真も掲載くださりありがとうございます☆

父が主役の産後ヘルプ〜太田家産褥ヘルプキックオフ(ブログ「日刊シマン」より)

さらにタイムリーに、日本経済新聞の7/7(月)の夕刊生活面で、マドレボニータの活動と、この「産褥ヘルプ」について掲載していただきました!
キックオフ前に電話取材を受けたり、Facebookグループに掲載したコメントを提供していたりしていた私たち夫婦も実名と年齢入りで載せていただきました。
日経電子版にも載っています(有料会員向けの記事ですが、無料会員の登録で月10本までは閲覧できます)。
…もう後には引けない(笑)。

さて次は、産まれてしまう前にしっかりGoogleドライブでシフト表を作って、
ヘルプメンバーのみなさんにシェアしないとですね!