最近何冊かの本を平行して読んでいて、どれも途中まで読み、
外出時に2冊持って出るんだけど(1冊だと途中で読み終えたらどうしようとか思い)、
どちらもほとんど読めずに帰宅…ということが続いていました。
そんな中からこの本が一抜け!(笑)
『子どもが育つ条件』柏木惠子 著(岩波新書 1142)
タイトルを見ると、三歳児神話を信じている人が手に取りそうですが、
家族心理学の研究が進むにしたがってその神話が幻想にすぎないということがわかった、
ということが実証データに基づき明快に語られます。
「◯◯ちゃんママ」としか呼ばれない違和感、
母となっても「母ではない自分」というペルソナを求める気持ち、
それができないと生まれるイライラ…
どれも覚えのある感覚、それを論理的に説明してもらって気持ちよかったです。
語られていることは、特別目新しくないのです。
でもそれは今まで私はほとんどマドレボニータ界隈で見聞きしたことでした。
このように活字で、新書になっているのか!と驚きました。
人間の成長・進歩の欲求は大人になっても終わらない。
それが奪われることが不安をもたらすんですね。
子育てでキャリアが中断されることの不安は、経済的な事情とか、
いざ再び職を求めたときに自分に就ける仕事があるのかどうか?
という将来への不安ということが一般的に言われやすいです。
それも確かにありますが、では再就職が仮に約束されていたとしても、
中断して「育児に専念」している今を楽しく過ごせるか、というと、
そんな簡単なものではない(多少不安は減るかもしれないけど)。
むしろ仕事をしながら子育てしている女性よりも育児不安を抱えている比率が高い
というデータもあるそうです。
それはなぜか?というのが本当にわかりやすく解説されていました。
大人が自分の成長・進歩を横に置いておきながら、子どもだけに成長を促して、
さらに子どもの成長に自分を投影させられたら、反発を生む…。
確かにそうかも。
私は産後に出会った「(子どもに自分の)背中を見せる」という言葉が好きだけど、
今まで感覚的にわかる!そうだ!、と思いながら、
論理的に説明できることばを持っていませんでした。
今回、それは自分が大人になっても成長や進歩を諦めずに続ける姿を見せ、
人として健全に生きるということなのかと腹おちして、
じゃあ、どんな自分の背中を見せたいか?ということをもっと貪欲に、
明確に考えて行動したいと思いました。
この本は夫婦で読んで、共通の見解、子育ての指針として
時折立ち返る場所にしておきたいです。
少し子育てに理解のある(といわれている)男性だと、
「今日は子どもを見ているからママ業休んでリフレッシュしてきなよ」
とか言ってくれるようですが、必要なのはリフレッシュ…だけではないんですよね。
癒されたとしても、翌日にはイライラ戻りますもんね…。
でも、それだけ理解を示してくれるということは、適切な知識を得られれば、
その思いやりの気持ちを違うアクションに変えてくれるんじゃないかなと思います。
著者は、社会構造を変えないと問題は根本的に解決しない、と提言しています。
それは本当にそうだと思う。
でもそれを待っていて現状を諦めていたら自分の世代はそれで終わってしまいます。
この本やマドレボニータに出会った私は今の世代からこう生きていきたいし、
できる限り伝えていきたいなと思います。
こういった本を読んで想いをわかちあったり、
同じコンテキストで「親となって生きる」を語れる人を周りに増やしていけば、
そこから変わっていくこともあると信じています。
ブログの記事では私が印象的だった箇所を端的に拾ってしまいますので、
ご興味を持たれた方も、私の書き方に反発や違和感を持たれた方も(すみません)、
ぜひご一読いただければと思います。
西東京市の図書館でも借りることができますよー。
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