2013年6月1日土曜日

極限まで自分と向き合う/産後セルフケアインストラクター養成コース

こんにちは。久々の更新です。

前回の記事「風疹の流行と対策」は、本当にたくさんの方にお読みいただき、
話題にしていただいたおかげで、今もコンスタントにアクセスがあります。
まだまだ流行は続いています。まだお読みでない方は、ぜひ読んでください!

そこから少し時間がかかってしまいましたが、所属する「NPO法人マドレボニータ」でも
流行をくいとめるための発信をしていこうということになりました。
来週から動き始めようと思っています。
産前・産後に深く関わる団体としてできることをやっていきたいです。

さて、そのマドレボニータの産後ケアプログラムをお伝えする
「産後セルフケアインストラクター」
現在24人の認定インストラクターがおり、全国約50カ所で「産後のボディケア&フィットネス教室」を開催しています。

この「産後セルフケアインストラクター」は「資格」ではなく新しい「職業」
認定を受けるには厳しいエントリーの条件があり、さらに家族を含めた生活まるごとをかける、24時間研修中といっても過言ではない半年間の養成コース。その過程でのいくつかの関門をのりこえた人だけが就ける職業なのです。
エントリーの準備から1年以上の期間を要します。

養成コースについてのマドレボニータ公式サイトのご案内はこちら

また認定を一度取れたら終わりではなく、継続した鍛錬とスキルの向上に努め、
他のインストラクターとともに経験や知恵をもちより、最適なプログラムを追求し続けることが求められます。

人前に立つと、華やかでぐっと人を引きつけ、大変さをみじんもみせないし、社会的な意義もやりがいもある、夢いっぱいの仕事。
私もなりたい!と憧れてくださる(って変な表現ですが…)方はたくさんいるのですが、
本当に「そう簡単にはなれない」ものだなあと、一昨日も実感する出来事がありました。

現在実施中の養成コース8期生2名の「実技試験」です。
養成コースの中盤の山場ともいえるこの試験。
この試験に通らなければ、この先の実際のお教室に参加しての研修プログラムに進めません。

結論からいうと、両名とも不合格でした。
私は事務局スタッフとして試験を見学させてもらい、途中エクササイズやセルフケアのレクチャーの生徒役をしました。


終わったときには、いろいろなことに胸がいっぱいになってしまい、
何も発信できる言葉がないと思いましたが、参加させてもらったからには、
つたなくても言葉にしなければと思い、その日の夜にTwitterに連続ツイートをしました。
今日はそのツイートを全文引用したいと思います。

***

【実技試験1】昨日は @madrebonita の産後セルフケアインストラクター養成コース8期生の実技試験でした。事務局スタッフとしては見守ることしかできないけど、何かしたくて、生徒役として参加させてもらいました。養成コースについては http://bit.ly/pK0nlk 

【実技試験2】養成コースは想像を絶する厳しさ。エントリーまでの準備期間も含めると約1年。その1年だってちょろっとDVD見て、座学受けて簡単な筆記試験で通るの前提、みたいなものではない。期間の長さだけでなく、毎日の密度も濃い。家族も含め、生活丸ごとを養成コースのために組み立て直す。

【実技試験3】今回の試験は大きく身体スキルをみるもの、実際の教室を想定してリードやレクチャーをするものの2種。生徒役としてエクササイズやセルフケアに参加。私は講評はできませんが、初めて産後クラスに通った頃の自分だったらどう感じるか?と想像しながら生徒役をさせてもらいました。

【実技試験4】受講する側からすると、目線が合わないとこんなにも不安な気持ちになるのか、インストラクターが頭が真っ白になった途端にこんなにもそれが伝わってしまうのか、その言葉や話の構成が自分のものになっていないと聞いていてもこんなにも頭に入ってこないのか…。この人大丈夫かしら、と気になった途端に「産後の心と身体のリハビリ」のための場でなくなってしまう。

【実技試験5】インストラクターがこともなげに行っているように見えることは、実はものすごく難しく、鍛錬、努力の末に培われ、さらにたゆまずに磨き続けているからこそなんだ、と再実感。一朝一夕には近づかないけど、デビューしたてだから仕方ないよね、なんて自分の産後の心身の回復がかかってたら言えない。

【実技試験6】その上、伝える内容だけで頭と気持ちがいっぱいいっぱいになっていたら伝わらない。クラスを見渡し、ひとりひとりを見て臨機応変に対応する、みんなが安心してついて来れるように余裕をもつ、そのためにはメモリの空き容量がまだまだあるパソコンのようでなければ、つとまらない…。

【実技試験7】…と言うは易し。自分の今までに、ここまで自分自身がシビアに問われる場に身を置いたことがあったろうか。しかもここまでハードルの高いタスクを、メモリ空き容量ある状態で…なんて。

【実技試験8】私もやるべきことがいっぱいあり気持ちだけ焦って、というときに「でも結局ひとつひとつやってくしかない」と思い直すんだけど、それも本当にその方法が適切か?目的達成にかなってるか?期日に間に合うのか?と考えてK.U.F.U.していかないと。歩みを止めず、でも惰性にならず。

【実技試験9】インストラクターではなく、事務局スタッフである私にできることってなんだろう、と改めて問い直す。8期生のために、現役インストラクターのために、産後女性のためにできること。応援したくて行ったんだけど、自分の来し方と行く末もとても考えさせられる機会をもらいました。

【実技試験10】もっと自分たちの活動について語れるようになる、ファンドレイジングの理論や手法を学び実践する、人や文化、芸術に関心をもって触れる、年齢を重ねてもダメだししてもらえるような人でいる…。このできることを具体的に落としこんでいかないと目標のままになってしまう。

【実技試験11】自分がattractiveでなければ、少なくとも少しでもそうなれるよう心がけていなければ、どんなに正しい発信をしても届かない。まわりに魅力的な人ばかりで、私はそうはなれないので違う領域で貢献しますなんて思ってたけど、事務方だからこそ必要なことなのかもしれないな。

【実技試験12】やっぱりこの2人に乗り越えてほしいって思った。奈良にも教室ができました、埼玉にインストラクターが増えました!って迷いなく、感慨深く発信できる日が来てほしい。この1か月が自分の人生も変えるけど、この先出会うことになる未来の産後女性たちの人生だって変える局面。

【実技試験】 昨日の産後セルフケアインストラクター実技試験についての連続ツイート、ひとまずここまでといたします。 @35hareruya @mika_yasuyo 、悔し涙をエネルギーにかえて!!

***

人生にそう何度もない(いや、一度もないかもしれない)正念場にいる二人から、いろいろなことを教えられ、自分の来し方と行く末を考えました。

というわけで、8期生が無事デビューできるかどうかは本当にわからない状況です。
将来教室に来てくださる産後女性のためにも、おまけや妥協で通過、はありません。

インストラクターではない私にはできることが限られていますが、
ツイートにもあるように、事務局スタッフとしてやるべきことを粛々と、でもK.U.F.U.の余地がないかを常に考えつつやっていきたいと思います。

この養成コース生の様子も含め、マドレボニータの活動についてはFacebookページにてほぼ毎日発信しておりますので、よろしければ「いいね!」を押して情報を受け取ってください。

  

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