2013年6月25日火曜日

月イチで「マドレスピリット」を届けます ー『マドレ☆タイムズ』創刊!ー

先週、前から実現したいと思っていたことが形になりました。
NPO法人マドレボニータのメールマガジン創刊!
読んでいただくことを想定して編集していますが、
マドレボニータにご関心のある方なら教室受講の有無に限らず楽しんでいただけるはず!
ということで購読登録フォームも用意しました(フォームのURLは、文末に☆)。
今後、公式サイトからバックナンバーもお読みいただけるようにしようと思っています。

かなり前から「メルマガできたらいいよね」という話はあがりつつ、
果たして今の事務局スタッフの業務量のどこに入れていけるのか?
(しかも始めたらそう簡単にはやめられない、やめたくない)
ということで二の足を踏んでいました。

でも、昨年11月のインストラクター&スタッフの合宿で行った
「オープンスペーステクノロジー」というワークショップで、
再び「クラスの卒業生にメルマガを送る」というアイディアが出ました。
そのとき、同じグループのインストラクターが「あったらすごくうれしい!」
って賛同してくれて、やっぱりやりたい!という気持ちがわき上がり…。

今年の3月にメルマガ創刊プロジェクトのメンバー募集を呼びかけたところ、
あっという間に6人(インストラクター3名、事務局スタッフ3名)が集結!
何となく、今年の秋頃に創刊、3か月に1回くらい送れればいいかな
…と思っていたのに、4月のキックオフMTGで6月21日創刊、毎月発行!と決定☆

ちなみに、プロジェクトでは一度も対面では集まっていません。
メーリングリスト、Facebookグループ、Skype、Googleドライブで完結!
(マドレボニータのプロジェクトは基本そうです)

プロジェクトメンバー自身が産後女性として教室を受講したときの気持ち、
触れて衝撃をうけた「マドレスピリット」のこと、
今インストラクターとして、またはスタッフとして、深くコミットしているからこそ
持っている情報、見えている景色…

そういったものを、長くなりすぎないように気をつけつつ(笑)、
ぎゅぎゅっとつめこみました。
質実剛健かつもちろんユーモアも忘れずに★

インフォメーションコーナーもありますが、
「読み物」がメインになっています。
みんなが「マドレスピリット」と呼ぶ、考え方、スタンスなどもご紹介しています。
例えば創刊号では「呼称問題」についてとりあげました。


教室は、真剣な「産後のリハビリ」の場ではありますが、
とーっても楽しく、たくさん笑い、涙を流し…
人生の中でもインパクトのあるできごとだと思います。
だからこそ「美しい思い出」にしてほしくないというか。
あそこには本当の気持ちがあるけど、シャバに戻るとなかなかそうはいかないよねって、
厳しい社会の荒波にもまれるとそう思いたくなってしまうこともあるのかな…と思うのです。

でも、月1回、この暑苦しい(笑)メルマガが届いたら、ここに立ち返る、
というのがもっと日常になるかなーと思ったりしています。
時間をおいてマドレスピリットに触れたら、あ、そういうことか!
ってすとんと腹におちたりすることだってあるかもしれない。
そんなことをあれこれ想像しています。

マドレスピリットは、産後に関わりのある文脈で語られていることが多いけど、
それがいわんとしていることは「産後」限定じゃなくて、
本質的な「生き方」のヒントや軸、拠り所になるものだとも思いますし。

なので、今、産前産後かどうかに関わらず、性別も問わず、
「マドレスピリット」に触れてみたいという方はぜひ購読してみてください!!
配信ご希望の方は、お手数ですが下記登録フォームよりお手続きをお願いします
(2分もかかりません!)
マドレボニータメールマガジン『マドレ☆タイムズ』登録フォーム
もう一つ、私の中でテーマに持っているのが、
メルマガを通じて「NPOってこういうことか!と知ってもらう」ということです。
これについては、メルマガについてというよりは、
それ自体をテーマとしてあらためて書きたいと思います。

  

2013年6月20日木曜日

モコレコメン:子育て中だって人は成長する権利と義務がある/本『子どもが育つ条件』

最近何冊かの本を平行して読んでいて、どれも途中まで読み、
外出時に2冊持って出るんだけど(1冊だと途中で読み終えたらどうしようとか思い)、
どちらもほとんど読めずに帰宅…ということが続いていました。
そんな中からこの本が一抜け!(笑)

『子どもが育つ条件』柏木惠子 著(岩波新書 1142)

タイトルを見ると、三歳児神話を信じている人が手に取りそうですが、
家族心理学の研究が進むにしたがってその神話が幻想にすぎないということがわかった、
ということが実証データに基づき明快に語られます。

「◯◯ちゃんママ」としか呼ばれない違和感、
母となっても「母ではない自分」というペルソナを求める気持ち、
それができないと生まれるイライラ…
どれも覚えのある感覚、それを論理的に説明してもらって気持ちよかったです。

語られていることは、特別目新しくないのです。
でもそれは今まで私はほとんどマドレボニータ界隈で見聞きしたことでした。
このように活字で、新書になっているのか!と驚きました。

人間の成長・進歩の欲求は大人になっても終わらない。
それが奪われることが不安をもたらすんですね。
子育てでキャリアが中断されることの不安は、経済的な事情とか、
いざ再び職を求めたときに自分に就ける仕事があるのかどうか?
という将来への不安ということが一般的に言われやすいです。

それも確かにありますが、では再就職が仮に約束されていたとしても、
中断して「育児に専念」している今を楽しく過ごせるか、というと、
そんな簡単なものではない(多少不安は減るかもしれないけど)。
むしろ仕事をしながら子育てしている女性よりも育児不安を抱えている比率が高い
というデータもあるそうです。
それはなぜか?というのが本当にわかりやすく解説されていました。

大人が自分の成長・進歩を横に置いておきながら、子どもだけに成長を促して、
さらに子どもの成長に自分を投影させられたら、反発を生む…。
確かにそうかも。
私は産後に出会った「(子どもに自分の)背中を見せる」という言葉が好きだけど、
今まで感覚的にわかる!そうだ!、と思いながら、
論理的に説明できることばを持っていませんでした。

今回、それは自分が大人になっても成長や進歩を諦めずに続ける姿を見せ、
人として健全に生きるということなのかと腹おちして、
じゃあ、どんな自分の背中を見せたいか?ということをもっと貪欲に、
明確に考えて行動したいと思いました。

この本は夫婦で読んで、共通の見解、子育ての指針として
時折立ち返る場所にしておきたいです。
少し子育てに理解のある(といわれている)男性だと、
「今日は子どもを見ているからママ業休んでリフレッシュしてきなよ」
とか言ってくれるようですが、必要なのはリフレッシュ…だけではないんですよね。
癒されたとしても、翌日にはイライラ戻りますもんね…。
でも、それだけ理解を示してくれるということは、適切な知識を得られれば、
その思いやりの気持ちを違うアクションに変えてくれるんじゃないかなと思います。

著者は、社会構造を変えないと問題は根本的に解決しない、と提言しています。
それは本当にそうだと思う。
でもそれを待っていて現状を諦めていたら自分の世代はそれで終わってしまいます。

この本やマドレボニータに出会った私は今の世代からこう生きていきたいし、
できる限り伝えていきたいなと思います。
こういった本を読んで想いをわかちあったり、
同じコンテキストで「親となって生きる」を語れる人を周りに増やしていけば、
そこから変わっていくこともあると信じています。

ブログの記事では私が印象的だった箇所を端的に拾ってしまいますので、
ご興味を持たれた方も、私の書き方に反発や違和感を持たれた方も(すみません)、
ぜひご一読いただければと思います。


 西東京市の図書館でも借りることができますよー。

  

2013年6月1日土曜日

極限まで自分と向き合う/産後セルフケアインストラクター養成コース

こんにちは。久々の更新です。

前回の記事「風疹の流行と対策」は、本当にたくさんの方にお読みいただき、
話題にしていただいたおかげで、今もコンスタントにアクセスがあります。
まだまだ流行は続いています。まだお読みでない方は、ぜひ読んでください!

そこから少し時間がかかってしまいましたが、所属する「NPO法人マドレボニータ」でも
流行をくいとめるための発信をしていこうということになりました。
来週から動き始めようと思っています。
産前・産後に深く関わる団体としてできることをやっていきたいです。

さて、そのマドレボニータの産後ケアプログラムをお伝えする
「産後セルフケアインストラクター」
現在24人の認定インストラクターがおり、全国約50カ所で「産後のボディケア&フィットネス教室」を開催しています。

この「産後セルフケアインストラクター」は「資格」ではなく新しい「職業」
認定を受けるには厳しいエントリーの条件があり、さらに家族を含めた生活まるごとをかける、24時間研修中といっても過言ではない半年間の養成コース。その過程でのいくつかの関門をのりこえた人だけが就ける職業なのです。
エントリーの準備から1年以上の期間を要します。

養成コースについてのマドレボニータ公式サイトのご案内はこちら

また認定を一度取れたら終わりではなく、継続した鍛錬とスキルの向上に努め、
他のインストラクターとともに経験や知恵をもちより、最適なプログラムを追求し続けることが求められます。

人前に立つと、華やかでぐっと人を引きつけ、大変さをみじんもみせないし、社会的な意義もやりがいもある、夢いっぱいの仕事。
私もなりたい!と憧れてくださる(って変な表現ですが…)方はたくさんいるのですが、
本当に「そう簡単にはなれない」ものだなあと、一昨日も実感する出来事がありました。

現在実施中の養成コース8期生2名の「実技試験」です。
養成コースの中盤の山場ともいえるこの試験。
この試験に通らなければ、この先の実際のお教室に参加しての研修プログラムに進めません。

結論からいうと、両名とも不合格でした。
私は事務局スタッフとして試験を見学させてもらい、途中エクササイズやセルフケアのレクチャーの生徒役をしました。


終わったときには、いろいろなことに胸がいっぱいになってしまい、
何も発信できる言葉がないと思いましたが、参加させてもらったからには、
つたなくても言葉にしなければと思い、その日の夜にTwitterに連続ツイートをしました。
今日はそのツイートを全文引用したいと思います。

***

【実技試験1】昨日は @madrebonita の産後セルフケアインストラクター養成コース8期生の実技試験でした。事務局スタッフとしては見守ることしかできないけど、何かしたくて、生徒役として参加させてもらいました。養成コースについては http://bit.ly/pK0nlk 

【実技試験2】養成コースは想像を絶する厳しさ。エントリーまでの準備期間も含めると約1年。その1年だってちょろっとDVD見て、座学受けて簡単な筆記試験で通るの前提、みたいなものではない。期間の長さだけでなく、毎日の密度も濃い。家族も含め、生活丸ごとを養成コースのために組み立て直す。

【実技試験3】今回の試験は大きく身体スキルをみるもの、実際の教室を想定してリードやレクチャーをするものの2種。生徒役としてエクササイズやセルフケアに参加。私は講評はできませんが、初めて産後クラスに通った頃の自分だったらどう感じるか?と想像しながら生徒役をさせてもらいました。

【実技試験4】受講する側からすると、目線が合わないとこんなにも不安な気持ちになるのか、インストラクターが頭が真っ白になった途端にこんなにもそれが伝わってしまうのか、その言葉や話の構成が自分のものになっていないと聞いていてもこんなにも頭に入ってこないのか…。この人大丈夫かしら、と気になった途端に「産後の心と身体のリハビリ」のための場でなくなってしまう。

【実技試験5】インストラクターがこともなげに行っているように見えることは、実はものすごく難しく、鍛錬、努力の末に培われ、さらにたゆまずに磨き続けているからこそなんだ、と再実感。一朝一夕には近づかないけど、デビューしたてだから仕方ないよね、なんて自分の産後の心身の回復がかかってたら言えない。

【実技試験6】その上、伝える内容だけで頭と気持ちがいっぱいいっぱいになっていたら伝わらない。クラスを見渡し、ひとりひとりを見て臨機応変に対応する、みんなが安心してついて来れるように余裕をもつ、そのためにはメモリの空き容量がまだまだあるパソコンのようでなければ、つとまらない…。

【実技試験7】…と言うは易し。自分の今までに、ここまで自分自身がシビアに問われる場に身を置いたことがあったろうか。しかもここまでハードルの高いタスクを、メモリ空き容量ある状態で…なんて。

【実技試験8】私もやるべきことがいっぱいあり気持ちだけ焦って、というときに「でも結局ひとつひとつやってくしかない」と思い直すんだけど、それも本当にその方法が適切か?目的達成にかなってるか?期日に間に合うのか?と考えてK.U.F.U.していかないと。歩みを止めず、でも惰性にならず。

【実技試験9】インストラクターではなく、事務局スタッフである私にできることってなんだろう、と改めて問い直す。8期生のために、現役インストラクターのために、産後女性のためにできること。応援したくて行ったんだけど、自分の来し方と行く末もとても考えさせられる機会をもらいました。

【実技試験10】もっと自分たちの活動について語れるようになる、ファンドレイジングの理論や手法を学び実践する、人や文化、芸術に関心をもって触れる、年齢を重ねてもダメだししてもらえるような人でいる…。このできることを具体的に落としこんでいかないと目標のままになってしまう。

【実技試験11】自分がattractiveでなければ、少なくとも少しでもそうなれるよう心がけていなければ、どんなに正しい発信をしても届かない。まわりに魅力的な人ばかりで、私はそうはなれないので違う領域で貢献しますなんて思ってたけど、事務方だからこそ必要なことなのかもしれないな。

【実技試験12】やっぱりこの2人に乗り越えてほしいって思った。奈良にも教室ができました、埼玉にインストラクターが増えました!って迷いなく、感慨深く発信できる日が来てほしい。この1か月が自分の人生も変えるけど、この先出会うことになる未来の産後女性たちの人生だって変える局面。

【実技試験】 昨日の産後セルフケアインストラクター実技試験についての連続ツイート、ひとまずここまでといたします。 @35hareruya @mika_yasuyo 、悔し涙をエネルギーにかえて!!

***

人生にそう何度もない(いや、一度もないかもしれない)正念場にいる二人から、いろいろなことを教えられ、自分の来し方と行く末を考えました。

というわけで、8期生が無事デビューできるかどうかは本当にわからない状況です。
将来教室に来てくださる産後女性のためにも、おまけや妥協で通過、はありません。

インストラクターではない私にはできることが限られていますが、
ツイートにもあるように、事務局スタッフとしてやるべきことを粛々と、でもK.U.F.U.の余地がないかを常に考えつつやっていきたいと思います。

この養成コース生の様子も含め、マドレボニータの活動についてはFacebookページにてほぼ毎日発信しておりますので、よろしければ「いいね!」を押して情報を受け取ってください。