先週第2回が放送された「mokoscope(FM西東京/第1水曜日12:00-12:45)」から、新しい試みを始めました。
番組冒頭で、「NPO法人」をはじめとする非営利団体の活動に関するミニ知識をお伝えします(夜の再放送の時間には含まれませんのでご注意ください★)。
放送後に内容を補足してこちらのブログmokoscopeでも掲載することにしました!
題して「今月のヘソ」。目からウロコ…まではいかないかもしれないけど、「へーそーなんだ!」とちょっと見方がかわる話題をお伝えしたいと思います。
私自身がNPOの活動に関わる中でリアルに「へーそーなんだ!」と思ったことをとりあげますね。
第1回の話題は「NPO法人って利益を出しちゃいけないの?!」です。
え、考えたことなかった…とか、だって非営利団体なんだから当然ダメでしょ、とか、
いや、いいはずだけどじゃあ逆に何がダメなんだっけ…という方はぜひお読みください。
私は今、NPO法人の事務局スタッフとして週4日くらい働いています。
(その「新しい働き方」についてはよろしければコチラのブログ記事をご参照ください)
「社会起業家」とか「ソーシャルビジネス」というようなことばもだいぶ聴かれるようになってきました。でもまだ身近ではないという方も多いかもしれないですね。
まず、「NPO法人」というのは何かということなのですが、
NPOはNon Profit Organization、「非営利組織」という意味です。
1998年に施行されたNPO法に基づいて設立された法人をNPO法人、日本語では「特定非営利活動法人」といいます(漢字だらけ!w)。
NPOが非営利組織ということは結構知られているのですが、
いろんな方とお話していると、「活動で利益を出してはいけない」と思っている方がけっこういらっしゃるようなんですね。
「非営利」という言葉が使われているので、無料または格安でサービスを提供するべきもの、と思われがちですが、必ずしもそうではありません。
NPO法人に関わる人は誰もが無給でないといけないわけではないし(お給料などの人件費は経費とすることができます)、ある活動から得られた収入から経費を除いた「利益」を出してもいいんです。
NPO法人でいう「非営利」とは、その法人の活動によって得た利益を役員や職員、会員などに分配してはならないという意味での「非営利」なんです。
「ちょっと思ったより儲かったから臨時ボーナスね~♪」みたいなのはNG、ってことです。
ではその利益を何に使うのでしょうか?
逆に、そうした利益がないと、どうなってしまうのでしょうか?
NPO法人は、何かしらの解決したい社会的な課題があって、その解決のために活動をしているのですが、単発である活動を行えばその問題が解決するということのほうが少なくて、活動を継続していき、さらに活動内容を発展させていく必要がある場合が大半です。
私が事務局スタッフをしている「NPO法人マドレボニータ」が取り組んでいる「産後ケアを全国に普及させる」という活動も、
今目の前の産後女性に届けることはもちろん喫緊の課題ですが、その方に届けたら社会的に問題が解決するわけではありません。
年間約100万人の女性が新たに「産後」を迎え続けるし、
その全員にマドレボニータのプログラムを届けることは物理的にも不可能です。
教室の開催と平行して、産後ケアの大切さを広く発信したり、行政や企業との協働をすすめたり…
と様々な次元、かつ長いスパンでの活動が必要になっています。
これは、異なるテーマを扱う他のNPO法人でも同じことです。
活動を継続、発展していくためには、お金も当然必要になっていきます。
仕事として時間もエネルギーも費やすくらい活動にコミットメントする人が必要になる場合もあるでしょう。
また、活動を行えば当然費用がかかりますが、教室の受講料のように誰かから直接的に対価をもらえるような活動ばかりではありません。別の方法でお金を調達しないといけないんですよね。
そこで、それぞれのNPO法人は、活動の特徴や方針に応じて、事業で利益をあげたり、会員を増やして会費を集めたり、寄付を募ったり、助成金や補助金を獲得したり…というアクションをとっているわけです。
ちなみに、こうした非営利団体の資金調達を総称して「ファンドレイジング」といっています。
あるサービスを利用するとき、選んだサービスを提供しているのがたまたまNPO法人だった、ということも出てきているかと思います。
サービスが有料でお金を支払う場合は、そのサービスへの対価という意味合いもありますが、その活動が継続して社会がよりよくなるための支援のお金という意味合いも含んでいる…と想いを馳せていただけたらうれしいです。
というわけで、「NPO法人が利益を出しちゃいけないわけではない!」というのが「今月のヘソ」でしたー★
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