ハイリスク・ハイリターンな外資系企業ではたらく、ということは、私が社会人になったころはそれを選びたい人が選ぶ道、だったと思います。
でも今は安定を求めて入った日系企業が投資ファンドに買われる…とか、そうでなくてもいろいろな事情で当たり前に続くと思っていた仕事がなくなるということがありえます。
何をもって「リスク」か、という概念もかわりつつありますが、またハイリスクならハイリターン、という図式もなりたたなくなっていますが、とにかく明日も同じように仕事が保証されないのは一部の外資系という世の中ではなくなりました。
何をもって「リスク」か、という概念もかわりつつありますが、またハイリスクならハイリターン、という図式もなりたたなくなっていますが、とにかく明日も同じように仕事が保証されないのは一部の外資系という世の中ではなくなりました。
とはいえ、ありえるって頭ではわかってるけど、誰もいつだってどうなるかわからないと思っているけど、そうなったらどうなるか?自分はどうするか?を知り、考える機会はなかなか得られません。
今回読んだ『今日からあなたには仕事はありません(豊田大史)』はジャンルとしてはビジネス書。
でもスタイルは「小説」というかたちをとっています。
ある朝、典型的日系メーカー営業部のオフィス。部長に招集されていた朝礼に部長の姿はなく、その変わりに入ってきたのは見たことのない、明らかに自分の会社の人ではない雰囲気をたたえた男性だった…。
そこから始まる激動の3か月間。オンリーワンの存在として「どこでも生き残れる」ビジネスパーソンになるための力の付け方が、ストーリーに沿って9章で展開されます。
各章にはビジネス書的なチャート図もあるのですが、これだけを唐突に「必要ですよ」と言われるのではなく、ストーリーの中で主人公の女性が試行錯誤しながら掴む結論なので、腹落ちするし、やる気になります。
おそらく、その腹落ちした各論について習得するには、別の詳細な本などをあたっていく必要があると思いますが、1冊で全容がとらえられるのがとてもいいです。
読み終えて感じるのは、自分の会社が危なそうな人はそのときに備えて読んでおきましょう、という本ではないということ。
今の働く環境や組織が安定しているかどうかに関わらず、自分がどうありたいか、何をしていきたいか、それは今の組織が継続することに頼ったビジョンではないか?ということを常に考えておくことが大切だということですね。
「そうなったらどうなるか?」を疑似体験しつつ、そうなる前に今の自分ができる備えを考えられる…というのはこの小説スタイルだからこそ。
その意識で行動が変わり、すると思いがけない展開や出会いがあって、自ら環境を変えることになるかもしれない。
そのままその組織にいるとしても、さらにいい仕事ができるかもしれない。
ここからはちょっと自分の話。
私が今仕事をしているNPO法人マドレボニータでは、年2回「ビジョンシート」を更新し、
「ビジョンMTG」で発表して、仲間からフィードバックをもらいます。
半年後、1年後、5年後のビジョンを書くという欄もあります。
そこで気付いたのですが、今までの私のビジョンシート、マドレで働いていることが前提になっていました。
もちろんその組織での5年後を考えることは大事だけど、それだけでは仮にそのまま5年来れたとしても、そこまでに作って来れるつながりや世界に差が生まれそう…。
一度「自分の意志だけではその組織に残れない」ということを身を以て経験しているのにこれです。
ワーキングマザーになってさらに限られる時間の中、常にタスクも中長期的にやりたいこともいっぱいでそれが楽しい状態。
だからこそ一歩ひいて「外」も意識していこうと、この本を読んで気付かされました。
きっとバリバリのビジネスマン&ウーマンが主なターゲットだと思うけど、そうでない働き方の人でもきっといろいろ感じられるはずです。
実は、この本を書いたのは大学時代のサークルの後輩。
でも、だからレビューを書いたんじゃありません。
そうでなくても、この本を読んでいたら書いたと思います。
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