2013年2月18日月曜日

モコレコメン:男性も妊娠する世の中だったら…/マンガ ヒヤマケンタロウの妊娠


今日のモコレコメンは、マンガ!

マドレ事務局スタッフの先輩、秋子さん(書評での作家名はツキノハルミさん)は、日々本当にたくさんの本を読み、紹介してくださいます。ジャンルも多岐にわたっていて、本当に勉強になります!

そんな秋子さんが先日「読書メーター」で紹介していたマンガが気になり、即購入!

前から、ふと妄想することがありました。
もし、男女どちらが妊娠するかわからない、という世の中だったら、子育てや「子育てしながらはたらく」ってどうなるんだろうーーー?と。

例えば保育園。
必死に情報収集するのは大半が女性。
男性側は募集や選考スケジュールも把握してない。
どこに保育園があるのかとか、下手すると認可と認証、無認可の区別もついてない(東京都の場合)。
入れなかったときに別の手を尽くすのも女性。それでも叶わなかったときに自分の仕事を調整(最悪退職)するのも女性…。

もし男性がその子を産んでたらどうなのか?


夫婦が子どもをつくるかどうかの相談。
お互いいろいろ生活の変化のシミュレーションをするとは思うのですが、
もし男性が、自分のほうが妊娠するかも…と思っていたら、もっといろいろ考えるんじゃないか?

なくなることのない望まない妊娠。
男性はもっと真剣に避妊するんじゃないか?

などなど妄想してたわけです。

その世界を描ききったのがこのマンガ。
しかも設定ががんばったなー、秀逸だなあと思うのは、
「近年男性の妊娠が確認されるようになった」という設定。

確かに、もともとそういう世界だったら、それが当たり前なんですけど、
急に変化が起きたという設定にすることで、社会が変わらざるを得ない様子を描いていくんです。
医学的な設定は相当無理がありますけどね…。
でもそれをこのマンガを議論する際に問うのは的外れ、ヤボだと思います。

しかも男性の妊娠は、女性の約1/10。
周りでもまだ男性が妊娠した人は少なくて、
デマ(妊娠する男性は同性愛者など)もある。

そんな中妊娠した主人公(男性)が、自分の仕事(外食業界の店舗企画職)を活かして、
「産むメン」の居場所を作っていきます。
最初は自分が出産後の居場所と仕事を確保するためだったのだけど、徐々に社会を変えていくんだ、という意識に変わっていきます。

…ただ、結局妊娠して出産した方が「抱え込む」という図式は変わらず。
特にこの主人公カップルは未婚ということもあって、
妊娠しなかった女性の方は、たまに会って赤ちゃんあやして…というおいしいとこどりだったりするのがちょっと残念でした。

どっちが妊娠するかわからなくても、結局妊娠したほうが抱え込んでしまうのか…。
いや、妊娠するまでがわからないから、そもそもの心がけが違っていて、妊娠しなかったほうもしっかりコミットメントできるのかな…。

このマンガでは、そこに主眼が置かれてるわけではないので、そのあたりは浅いし、
そもそも産後を甘くみてる!!…と思ってしまう箇所も多々ありますが、
この話を発端に、仲間同士、夫婦同士話してみたらおもしろいだろうなーと思いました。

今ブログを書いている現在は、軒並み品切れ、中古が定価の約2倍の値付けになっているのが残念ですが…。
複数のルートからこの本についての投稿を見かけたりするので、重版に期待!!
→普通に流通するようになりましたね!よかった☆(3/1追記)

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2013年2月11日月曜日

モコレコメン:笑えないおとぎ話/映画 ルビー・スパークス

☆まずはお知らせ☆
前回の記事の最後で、間もなく公開します、とお知らせした『クラウド事務局1dayツアー』のプレゼン資料が公開となりました。
これだけ見てもよくわからない…という回もあると思いますが、ご興味あるかたはご覧になってみてくださいね。

3連休!前日の金曜日にインフルエンザによる外出規制期間が終わり、堪能しています。
中日の日曜日は、昼過ぎから夫&娘と別行動。

マドレボニータのインストラクター2人とお茶しました。
1人は田無教室を始めた人で、昨年福岡へ転居、2月より福岡姪浜教室を開講した藤見里紗インストラクター(ふじみん)
もう1人は現田無教室担当の内山麻理インストラクター(うっちー)

☆今月の田無教室2月コースは開講を1週遅らせ、13日(水)から4週間です。まだ間に合います!!

ローズベーカリー、食べ物も飲み物も、何をいただいてもおいしい!
パンについているバターも、付け合わせの野菜のひとかけらも、吟味され、丁寧につくられたものって感じがします。

オーガニックジンジャーティは、オーダーすると南部鉄器に入って供されますが、ふたをあけるとびっくり!細めに拍子切りされた生姜がびっちり入っています!

話は西東京のマドレの活動について、行政との協働について、
お互いの近況、4月からのこと…などなど。2時間あっという間。
別の仕事での上京に合わせ、連絡をくれたふじみんに感謝です。



さて、2人と別れ、吉祥寺から新宿に移動して18時からは今年2本目の映画!
前々から観たかった『ルビー・スパークス』
CANPANフォーラム終わったら…のお楽しみにしてたらインフルエンザにかかり遅くなりましたが。


最初は微笑ましいおとぎばなし。でもだんだん笑えなくなってくる…。
こういうパートナーからのコントロール、現実でも結果似たようなものってあるでしょう…(ちょうどローズベーカリーでもそういう話をしていた)。

結局は、そんなおとぎばなしな設定はありがたくなくて、ぱっと見顕在化していないコンテキストのズレを見つけ、対話で擦り合せていくしかない。それが健全なパートナーシップで、その醍醐味なのだなあ。
…と、行きの電車で読み終えた平田オリザの『わかりあえないことから』から急につながって腹落ちした帰り道。
そんな深さも感じつつ、映像とかヒロインの服とか表情とかがかわいくて楽しい、すてきな作品でした!

新宿武蔵野館では2月14日(木)まで。18時〜の1日1回上映です。
今日日曜日は、50分前に整理券を取ったら19番、最終的には最前列まで人が座りほぼ満席、という感じでした。

  

2013年2月7日木曜日

マドレ事務局スタッフは裏方だけど、花形!



こんにちは。
以前このブログでご紹介したお財布を作っている革小物やバッグのお店エフィーローズ
何と2月をもって閉店が決まってしまったそうです。
いいお店だと思っていたので、残念です…。
今月いっぱい閉店セールをしています。もうかなり品薄ですが…。
私はご紹介した長財布が大きめなので(普段はいいんですけど)、荷物を少なくしたいとき用のコンパクト財布を買いました。



***


さて、今日は今の私の働き方について書いてみたいと思います。
簡単に端折ってしまうときは「在宅勤務です」と言っています。
たしかに毎日通うオフィスはないのです。
でも「在宅」で仕事をしている時間は7割くらいでしょうか。
もう少し正確にいうと、横文字好きみたいで恥ずかしいけど「ノマドワーク」です。

※ノマド:特定のオフィスなどを持たない働き方をする人、働き方。「遊牧民」という意味から派生したことばだそう。

自宅でもできるけど、気分転換に駅前の喫茶店で。
外出先にちょっと早めについてしまったので(またはあえて早めに到着して)。
近場のコーヒーショップで。
移動の電車の中で。
公民館のロビーとかでもできます。
15分単位で「就業」できるんです。

こう書くと、けっこう一匹オオカミ的な仕事なのかな…と思われます。
起業して一人でやってるとか、
ある部分の仕事をクライアントから任せられて請け負ってるとか、
講師系や作家系の仕事とか…。

ところが私の仕事は事務職(やや企画より)。
一般的に、一番ノマドできないと思われている事務の仕事なんです。
さらに、その事務の仕事を9人の同僚とワークシェアリングをしています。
その上、その9人は全員都内在住…というわけではなく、
東海や九州に住んでいるメンバーもいます。

メンバーはみんなフルタイムではなくパートタイマー。
シフトも、基本はあるものの、その週の予定や家族の都合でかなり流動的。
オフィスがあってもうまくまわるのか?というような働き方。

それを可能にしているのが「クラウドコンピューティング」です。
ネット環境につながるパソコンさえあれば、場所も時間も制約があってもぐんと自由度が高まります。
自分のパソコンにしか入っていないデータというのはなく、
全てインターネット上で管理されていて、メンバー間で共有されています。

ただ、そのようなITの進化がベースになっているものの、ツールさえあればまわるものでもないのです。
ツールをみんなが活用し、目的を達成するための工夫は案外アナログなことだったりもするんですよね。

例えばコミュニケーションは「余談」まで共有。
一日一言も声は発さなかったかもしれないけど、メールやチャットでしゃべり、共感し、泣き笑いしてます。
オフィスで働いている同僚同士よりも、きっと業務についてもプライベートについても詳しいです。

クラウド事務局を写真で表すのは難しいんですけど(だって見た目は一人でPCに向かってるだけなんだもん…)。

例えばミーティング。集まってPC見ているだけみたいですが、このネットワークの先には地方のメンバーがSkypeの音声通話とチャットでつながっています。

また、議案はGoogleドライブというネットワーク上のドキュメントサービスで共有し、みんなが加筆修正し、その変化もリアルタイムで確認できます。



これらのさまざまなノウハウは、試行錯誤の末に積み重ねられてきたもの。
私が入局する前からできていた仕組みもあるし、入局後にさらに改善されていったものもあります。

職場である「NPO法人マドレボニータ」は産後ケアに関する活動を行っている団体なのですが、
最近特に、産後ケアにまつわる話に加え、この事務局運営や新しい働き方について尋ねられることが増えてきました。
それをうけて、先日、CANPAN(日本財団)さんと共催で「クラウド事務局1DAYツアー」というセミナーを行いました。

まるごと一日、NPOの事務局運営についてのセミナー。
NPOの活動やファンドレイジング(資金調達)について語られることはあっても、
その事務局をどう運営しているかというところにスポットがあたるセミナーなんて珍しいと思います。

私たちも、企画してみたものの、1日分のセミナーとして成立するのか、
参加者に満足してもらえるのか、そもそも参加者はいるのか…と不安になりながらもがむしゃらに準備。

結果約60名のお申込み、参加率95%!
アンケートはまだ集計中ですが、満足度もかなり高いセミナーになりました。

私たちも、このしくみを少しずつ発信はしていたのですが、
このような形で体系立てて客観的にみることができたのは初めてで、
手前味噌ながらすごいなと思いました。

自分のライフステージに合わせて働くペースを柔軟に変えられて、
職・住・保育園接近で、
仕事を一人で抱え込んでしまうこともなく、
責任ややりがい、誇りももてる働き方
裏方だけど、形!(自分で言っちゃいましたが…)

この働き方がもっと普通になればいいのになってずっと思っていました。
偶然たどりつけた私はラッキー、ではなくて。
でもそのために何ができるのか?というのがあまり見えずにいました。
なんか、あまりに今までの働き方と乖離があって。延長線上にある気がしなかった。
先日のセミナーをやってみて、こうやって渡して行くことができるんだ、と思いました。

こういうセミナーをまたやるとか、
本にするとか(機関誌マドレジャーナルでは毎号特集でいろいろ最新の取り組みを紹介しているので、既に行っていることですが)、
少人数制のワークショップやコンサルもいいかも!

知りたい(自分もやってみたい、自分たちの組織に取り入れたいというくらいの気持ち)という人も「今度聞かせて~」というよりはがっつりそういう発信をつかまえてほしいです。
別にケチってるんじゃなくて・・・(笑)、
お茶飲みながら全容話せないし、それなりにインプットしないと、咀嚼して、さらに自分仕様にしていくのは難しいと思うから。

なお先日のフォーラムのスライドは、こちらのNPOフォーラムブログにて公開中です。
これだけ見てもよくわからない…という回もあると思いますが、ご興味あるかたはご覧になってみてくださいね。



日頃離れているからこそ、会えることの貴重さを実感しているし、大切にしている私たち。

だから会えたときにはものすごい高いテンション!
今まで顔を合わせた総時間は実はかなり短いかもしれないけど、コミュニケーション時間はハンパないです。

今回のセミナーは、9人中8人が一同に会するという初めての機会というギフトもくれました☆



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なかなか説明が難しい私の働き方。
ブログを開設したら書きたいことの一つでした。
今日は前提や概要を書きましたが、まだイメージしづらいですよね(もやもやさせてしまったかも)。
これからは近況の中で具体的な、働き方が伝わるようなできごとを書いていきたいです。

ご質問は、コメント欄にお書きいただけたら、お答えするか、またそのテーマで記事を書いてみたいと思います。