2013年9月11日水曜日

ラジオ放送後記:「mokoscope第3回」ゲストは多田有香さん(なおきち雑貨点 雑貨担当&編みぐるみ作家))

FM西東京の平日お昼のゲストインタビュー番組「まちともプラス」。
「mokoscope(第一水曜日)」の第3回をお届けしました★

ゲストは編みぐるみ・編み小物作家の多田有香さん
田無駅北口近くにある「カフェ&ギャラリー 田無なおきち」に併設されている「なおきち雑貨点」の雑貨担当もされています。



手のひらに乗るようなウサギやクマ。頭の部分が動物になっている赤ちゃんのガラガラ。
赤ちゃんや小さい子どもの肌に触れても柔らかく安心なオーガニックな素材で作られた編みぐるみや編み小物です。

ほっこりするウサギやクマのお顔は、よく多田ちゃんに似てる!と言われるそうです。たしかにー!!

多田ちゃんは、ご自身が編み上げた作品に加え、その編み図や作り方、必要な分量の材料がセットになったキット(一部作品)も制作、販売されています。
できあがった作品とキットの両方を用意しているのは、子どものために自分で手作りする喜びを実感してほしい、という思いがあるからだそうです。

小さいころからいろいろな種類の「手作り」が大好きだったという多田ちゃん。
でも趣味の域を越えず、遠ざかっていた20代を経て、2人の娘さんを授かり子育てする中で手作りに再会します。

そのなかでも自分に合う!と感じたのが編み物。
販売は初めてという人も利用できるレンタルボックス型の雑貨店でのデビューを機にオリジナル作品を作り始めました。

しばらくして編み物のワークショップ講師を探していた「田無なおきち」のオーナー佐藤うららさんと出会い、意気投合。
なおきちでの多田ちゃんのワークショップはスタート早々人気講座になります。

しかしそのなかで、もっと編み物の知識もスキルも身につけたい、聞かれたことに何でも答えてあげられるようになりたい、、、!という思いが強くなり、思い切ってワークショップをお休みし、学校に通うことを決意します。

お休み中もなおきちのお客さんのために制作キットは届けたいな、、、と思っていたところに、うららさんのなおきちで雑貨をおくコーナーを作りたいという構想が重なりました。
それが「なおきち雑貨点」になりました。

現在、多田ちゃんは学校の勉強や家事育児と並行し、「なおきち雑貨点」の雑貨担当として活躍中。お仕事は扱う雑貨のラインナップを考え、新しい作家さんの受け入れ、作品をおいている作家さんとのやるとり、売り場作り、時には店頭に立ち、、、と多岐に渡ります。


編み物以外の作家さんとの関わりや、お店をつくるという経験は、ご自身の作家活動にも大きな影響と刺激を与えてくれている、とお話してくれました。

「雑貨点」の「点」はひとりひとりの作家さん。点と点が繋がり、線に、さらに面になっていけたら、、、。また「点」という漢字の形がランプに似ていることから、なおきちが作家さんや雑貨たち、その雑貨を手に取る人たちを明るく照らすような存在になりたい、という思いも込めているそうです。

多田ちゃんの話を聞いて、私は簡単に「好きなことを仕事にできていいね」とは言ってはいけないなーとあらためて思いました。
好きなことを見つけるのも、それを仕事に変えていくのも簡単じゃない。転機は偶然のようにもみえるけど、その偶然に出会う努力や、その機会に思い切って乗る勇気を出したからこそ次の展開があったんですよね。
さらに、始めてみて感じる至らなさに諦めず、目もつぶらず、ペースを落として学び直すという決断…。
心から尊敬します!

振り返ってみると、10代の頃の手作り好きからずっと続いて歩んできた道が見えますね。
「キャリア」って、ラテン語のCarraria(馬車などの乗り物の通り道=轍)が語源なんだそうですが、まさにそうなっています。

学校に通う期間は限られていますが、「その先も一生勉強です」と多田ちゃん。
多田ちゃんとなおきち雑貨点のこれからがますます楽しみです!


さて、この9月は「田無なおきち」がお店を飛び出します!
楽しい秋の幕開けに、ピッタリなイベントです。

今はワークショップをお休みしている多田ちゃんも、この日は「タティングレース」の体験講座を開くそうです!
この「タティングレース」、レース糸とシャトルと呼ばれる小さな糸巻きと指でつくるレース編みの手法。ヨーロッパで昔から作られてきたものだそうですが、日本ではまだ習える機会は少ないみたいです。

小さなモチーフでも上品で目を引きます。同じデザインでも糸の色や質感で印象が全然違う!

他にも「なおきち」でおなじみの作家さんが何人も出店したり、生ライヴが楽しめたりします☆

***

<やおよろずのさんぽ市@ひばりが丘PARCO>
9/15(日)10:00~17:00
ひばりが丘PARCO  1F/5F・特設会場
(西武池袋線ひばりヶ丘駅南口すぐ)
※雨天のため、1階店頭での出店は中止となったそうです。
5Fで行うワークショップや占いなどのショートリーディングセッションと、
ライブ(場所未定)については予定通り行うとのことです。(9/15 8:00追記)

同時開催:タナシインドラライブ!
シーナアキコと薔薇の木 
清水あつしトリオ

<やおよろずのさんぽ市@田無神社>
9/22(日)10:00~16:00(雨天中止)
田無神社 境内(西武新宿線田無駅北口徒歩6分)

同時開催:タナシインドラフェス!
COINN
シーナアキコと薔薇の木
清水あつし

主催:田無なおきち/unicoco inc
*会場にお越しの際は、公共の交通機関をご利用ください。

「田無なおきち」のサイトFacebookページでは続々と当日に関する情報がアップされていますので、ぜひこちらもご確認ください!

***

来月の「まちともプラス/mokoscope」は10月2日(水)です。
次回もどうぞお楽しみにー!!

  

2013年9月3日火曜日

ラジオ予告:9/4水「mokoscope第3回」ゲストは多田有香さん(なおきち雑貨点 雑貨担当&編みぐるみ作家)

こんにちは★まだまだ暑いですが、いくぶん過ごしやすい時間帯が増えてきましたね。

月に一度、第一水曜日の「まちともプラス(FM西東京 12:00-12:45 ゲストコーナー再放送19:00-19:30)は「mokoscope」の日☆
私も身をおくNPOセクターの方や、同じように子育てしながら、一人の社会人としてすてきな活動をしている人をスタジオにお招きし、その方の活動や今までの話、これからの夢をお伺いしています。

明日9月4日(水)放送、第3回のゲストは、多田有香さん★
小平在住の編みぐるみ・編み小物作家さんです。2児の母でもいらっしゃいます。

「多田ちゃん」はご自身の作家活動やお勉強、子育てと平行し、田無のパワースポット「カフェ&ギャラリー 田無なおきち」の中にある「なおきち雑貨点」の雑貨担当さんとしても活躍中です。
おいおい「雑貨」って誤字だよー!と思った方、いえ、誤字ではなく、「雑貨」なんです。

この「点」に込めた思い、ご自身が作家でありつつ他の方の雑貨もそろえたお店をつくる担当をされているってどんな感じ?!などなどお伺いしていきたいと思います☆

放送時間は12:00-12:45、ゲストコーナーは同日19:00-19:30の再放送でもお楽しみいただけます。


☆放送の聴き方☆

(1)西東京市周辺の方は、FMラジオを84.2MHzに合わせて聴く

それ以外の地域のかた、西東京周辺でも電波状況が悪いかたは以下の方法で。

(2)インターネットサイマルラジオで聴く
→ただPC環境によってはダウンロードが必要な場合があるので、事前にご確認をお勧めします。

(3)スマートフォンをお持ちの方は無料アプリ「TuneIn Radio」でも聴けます
→全国のコミュニティFM放送をはじめとして、海外のラジオ局の放送なども聴けてしまうオススメ無料アプリです。
・Google Play: https://play.google.com/store/apps/details?id=tunein.player&hl=ja
・App Store: https://itunes.apple.com/jp/app/tunein-radio/id418987775?mt=8

ぜひぜひ聴いてくださいねー!

  

2013年8月12日月曜日

新シリーズ!今月のヘソ(1)NPO法人って利益を出しちゃいけないの?!

先週第2回が放送された「mokoscope(FM西東京/第1水曜日12:00-12:45)」から、新しい試みを始めました。
番組冒頭で、「NPO法人」をはじめとする非営利団体の活動に関するミニ知識をお伝えします(夜の再放送の時間には含まれませんのでご注意ください★)。
放送後に内容を補足してこちらのブログmokoscopeでも掲載することにしました!

題して「今月のヘソ」。目からウロコ…まではいかないかもしれないけど、「へーそーなんだ!」とちょっと見方がかわる話題をお伝えしたいと思います。
私自身がNPOの活動に関わる中でリアルに「へーそーなんだ!」と思ったことをとりあげますね。

1回の話題は「NPO法人って利益を出しちゃいけないの?!」です。
え、考えたことなかった…とか、だって非営利団体なんだから当然ダメでしょ、とか、
いや、いいはずだけどじゃあ逆に何がダメなんだっけ…という方はぜひお読みください。


私は今、NPO法人の事務局スタッフとして週4日くらい働いています。
「社会起業家」とか「ソーシャルビジネス」というようなことばもだいぶ聴かれるようになってきました。でもまだ身近ではないという方も多いかもしれないですね。

まず、「NPO法人」というのは何かということなのですが、
NPONon Profit Organization、「非営利組織」という意味です。
1998年に施行されたNPO法に基づいて設立された法人をNPO法人、日本語では「特定非営利活動法人」といいます(漢字だらけ!w)。

NPOが非営利組織ということは結構知られているのですが、
いろんな方とお話していると、「活動で利益を出してはいけない」と思っている方がけっこういらっしゃるようなんですね。
「非営利」という言葉が使われているので、無料または格安でサービスを提供するべきもの、と思われがちですが、必ずしもそうではありません。
NPO法人に関わる人は誰もが無給でないといけないわけではないし(お給料などの人件費は経費とすることができます)、ある活動から得られた収入から経費を除いた「利益」を出してもいいんです。

NPO法人でいう「非営利」とは、その法人の活動によって得た利益を役員や職員、会員などに分配してはならないという意味での「非営利」なんです。
「ちょっと思ったより儲かったから臨時ボーナスね~♪」みたいなのはNG、ってことです。

ではその利益を何に使うのでしょうか?
逆に、そうした利益がないと、どうなってしまうのでしょうか?

NPO法人は、何かしらの解決したい社会的な課題があって、その解決のために活動をしているのですが、単発である活動を行えばその問題が解決するということのほうが少なくて、活動を継続していき、さらに活動内容を発展させていく必要がある場合が大半です。

私が事務局スタッフをしている「NPO法人マドレボニータ」が取り組んでいる「産後ケアを全国に普及させる」という活動も、
今目の前の産後女性に届けることはもちろん喫緊の課題ですが、その方に届けたら社会的に問題が解決するわけではありません。

年間約100万人の女性が新たに「産後」を迎え続けるし、
その全員にマドレボニータのプログラムを届けることは物理的にも不可能です。
教室の開催と平行して、産後ケアの大切さを広く発信したり、行政や企業との協働をすすめたり…
と様々な次元、かつ長いスパンでの活動が必要になっています。

これは、異なるテーマを扱う他のNPO法人でも同じことです。

活動を継続、発展していくためには、お金も当然必要になっていきます。
仕事として時間もエネルギーも費やすくらい活動にコミットメントする人が必要になる場合もあるでしょう。
また、活動を行えば当然費用がかかりますが、教室の受講料のように誰かから直接的に対価をもらえるような活動ばかりではありません。別の方法でお金を調達しないといけないんですよね。

そこで、それぞれのNPO法人は、活動の特徴や方針に応じて、事業で利益をあげたり、会員を増やして会費を集めたり、寄付を募ったり、助成金や補助金を獲得したりというアクションをとっているわけです。
ちなみに、こうした非営利団体の資金調達を総称して「ファンドレイジング」といっています。

あるサービスを利用するとき、選んだサービスを提供しているのがたまたまNPO法人だった、ということも出てきているかと思います。
サービスが有料でお金を支払う場合は、そのサービスへの対価という意味合いもありますが、その活動が継続して社会がよりよくなるための支援のお金という意味合いも含んでいる…と想いを馳せていただけたらうれしいです。


というわけで、NPO法人が利益を出しちゃいけないわけではない!」というのが「今月のヘソ」でしたー★

  

2013年8月7日水曜日

ラジオ放送後記:「mokoscope第2回」ゲストは川村紀子さん(さーくる縁)

FM西東京の平日お昼のゲストインタビュー番組「まちともプラス」。
「mokoscope(第一水曜日)」の第2回をお届けしましたー!

ゲストは「さーくる縁(えん)」代表の川村紀子さん
西東京市内で活動している、障害があったり発達に遅れがあったりするお子さん(乳幼児)と家族のグループです。
ランチ会や先輩母から体験談を聴く会(就学についてなど)、情報誌の発行、
イベントの企画・開催などをされています。



「さーくる縁」という名前には
子どもを通じて出会えた「縁」を大切に
「宴」を通じて
まるく「円」でつながり
支「援」しあう、
楽しい「園」にしたい
と、いろんな「えん」という気持ちが重ねられています。

「さーくる」というひらがなのように、ふんわりつつまれるようにあたたかい川村さんのお話にひきこまれました。

このサークルのきっかけになったのが、
第1子に障害のある児を授かった母親から「公園デビュー」できないという話を聴いたこと。
川村さんは2番目のお子さんがダウン症です。
障害をもつ児が第1子か第2子以降かで環境や得られる情報や機会に大きな違いがあることに気付いたそうです。
また、原因不明の発達の遅れや稀な障害だとダウン症のように「親の会」もなく、同じ状況の仲間に出会える場がないということも。

「じゃあ一緒に公園デビューしよう!」と出かけたことをスタートに、
何回かの場づくり、サークル化と大きな輪になり、活動は今年で5年目を迎え、メンバーは約60組になりました。

8月22日(木)には、保谷こもれびホール(小ホール)にて、
「つながる”縁” ふれあう"心" コンサート」を開催します。
クラシックやアニメなどの名曲の生演奏を、出かけやすい近所で気兼ねなく楽しめる機会です。
17:00-18:10 大人500円/お子さま無料
事前予約制です。
特別な支援を必要とするお子さんをお持ちのご家庭でご興味あるかたは下記へご連絡ください。
「さーくる縁」 circleen2410@yahoo.co.jp

9月には西東京市NPO等企画提案事業として発行している情報紙「あかり」の第2号も発行予定。

「さーくる縁」の仲間になりたい、一度集まりに参加してみたい…という方は、
西東京市の「こどもの発達センターひいらぎ」などにご案内がおいてあります。
上記のメールアドレスへのお問い合わせいただいても大丈夫とのことです。

また、ブログでの情報発信もされています。
今後ボランティアなど当事者以外の方が参画できる機会も検討中だそうです。

最後に「障害=不幸じゃない。楽しく暮らす日常があり、大変なこともあるけれど、だからこそ深い喜びも感じられます。どんな風に接したらいいの?と思わずに、普通に『こんにちは』って話しかけてくださいね。」とメッセージをいただきました。

今日の放送でお届けした曲
(1)サマーヌード/真心ブラザーズ(太田選曲:夏と言えばこれ!せつないせつないー)
(2)大切なこと/リトルフォーク(かのさんリクエスト:さーくる縁のイベントにも出演されたことがあるアイリッシュハープ&ボーカルのユニット)
(3)竹村浄子/ショパン ノクターン 作品27-2 変ニ長調(かのさんリクエスト:竹村さんは8/22のコンサートにも出演される西東京市在住のピアニスト)

次回の「mokoscope」は9月4日(水)です。どうぞお楽しみに☆

  

2013年8月6日火曜日

ラジオ予告:8/7水「mokoscope第2回」ゲストは川村紀子さん(さーくる縁)

こんにちは。早くも8月ですね!
私は子ども時代、8/10を過ぎると「夏休みももう半分過ぎてしまった…orz」としょぼんとしているような子どもでしたw
今は、「まだ半分も残ってる☆」と思えるようになってきてる…かな?!

さて第1水曜日のFM西東京「まちともプラス」はmokoscopeの日です★
「mokoscope」では、私「もこ」が気になる!という方をお招きし、その方の活動や今までの話、これからの夢をお伺いしていきます。
リスナーのみなさんにご参加いただけるイベントなどの情報もご紹介します。

今月の放送は7日(水)、新月ですー!
ゲストは「さーくる縁(えん)」の立上げメンバー、川村紀子さんです。
「さーくる縁」は心身の発達に遅れがあるこどもとその家族で構成するグループで、同じ境遇にある保護者同士がお互いに支え合い、子育てをしていこうという自助団体です。

私は個人的にも川村さんと仲良くさせていただいていますが、ほんとうにとっても魅力的な方です。その考え方、行動力、雰囲気などなどから元気をもらったり、深く考えさせられたり、背筋がのびたり…いろいろなものをいただいています。

番組では、「さーくる縁」をはじめたきっかけや実際の活動内容、川村さんの想いなどをお伺いしていきます。
今月下旬には市内でコンサートを開催予定ということで、その紹介もいたします。

放送時間は12:00-12:45、ゲストコーナーは同日19:00-19:30の再放送でもお楽しみいただけます。

また、第2回の今回からは、せっかく私がまだまだ実態を広く知られていない(?!)NPO法人で働いている、ということもあり、NPO法人や社会的課題を解決するための活動に関するマメ知識もお届けしていきたいと思っています(こちらは12:00からの生放送でだけ流れます)。

kirakira☆アヴェニュー時代からやってみたいと思っていたことだったのです。がんばりますー。


☆放送の聴き方☆

(1)西東京市周辺の方は、FMラジオを84.2MHzに合わせて聴く

それ以外の地域のかた、西東京周辺でも電波状況が悪いかたは以下の方法で。

(2)インターネットサイマルラジオで聴く
→ただPC環境によってはダウンロードが必要な場合があるので、事前にご確認をお勧めします。

(3)スマートフォンをお持ちの方は無料アプリ「TuneIn Radio」でも聴けます
→全国のコミュニティFM放送をはじめとして、海外のラジオ局の放送なども聴けてしまうオススメ無料アプリです。
・Google Play: https://play.google.com/store/apps/details?id=tunein.player&hl=ja
・App Store: https://itunes.apple.com/jp/app/tunein-radio/id418987775?mt=8

  

2013年7月18日木曜日

モコレコメン:30年を経ての再会/展覧会「レオ・レオニ 絵本のしごと」

小学校の頃、年度始めに教科書をもらうのがとっても楽しみでした。
特に国語の教科書は、もらったその日には読破していた、という人は他にもいらっしゃるのでは?

国語の教科書に載っていた話というのは、大人になってもふと思い出したり、全く別の場所で子ども時代を過ごした人とあるフレーズを共通して覚えていてもりあがったりするものですね。

そんな私が一番印象に残っていたのが、ねずみがおもちゃのねずみと出会う話でした。
ストーリーもさることながら、強烈だったのはその美しい絵です。
「描いた」んじゃないよね?このぐるぐるした模様(マーブル調)はどうやってだしてるんだろう?

でもタイトルや作家などを覚えておらず、この話のこともたまに思い出すけど探し出すまででもなく…。
この話のタイトルが「アレクサンダとぜんまいねずみ」、作者が「レオ・レオニ」、絵本も出版されている(正確には絵本の刊行があって、教科書に採択された、という順序ですね)ということを知ったのはここ数年のことでした。


そんなわけで!とようやく本題。
8/4(日)まで渋谷の東急Bunkamura「ザ・ミュージアム」で開催中の「レオ・レオニ 絵本のしごと」展に行ってきました★


展覧会は会期末になると混むものですが、既に週末はけっこう混んでいて、物販コーナーも大賑わい、という話を聞き、急いで行ってきました。
平日の午前中、10時のオープン直後でも各展示を見るには少し列ができている、という状態。

ゾーンは4つに分かれていました。
こうした一人の作家の軌跡を追う展示会だと、時系列でその章が組み立てられていることが多いかもしれませんが、今回は時系列ではなく、絵本(生涯で40冊もの絵本を描いたそうです!)の根底に流れるテーマやメッセージによって分かれていました。

絵本の原画や資料などが、その絵本ごとに並べられています。


まず【絵】としての感想。

例の「アレクサンダとぜんまいねずみ」の原画もありました!
子どものときに不思議に感じていたことが判明。

コラージュだったんですね。
ねずみの体や耳、目、しっぽなど、いや、この絵本は基本背景なども全て、
色紙を切ったりちぎったりしたものでした。

地面やとかげの体などはマーブルに印刷された紙(もしかしたらご自身で染めたものもあるかもしれないです)だったのです。
また、何となくエキゾチック(という言葉は知らなかったけど)に感じられていたのは、千代紙などを使っていたからだ、と知ることができました。


その他の作品も見ると、さまざまな手法を使っていたことがわかります。
コラージュの他に水彩・油彩・クレヨン・色鉛筆などで描かれたものもあるし、
複数の手法を織り交ぜた作品もありました。
「ストーリーにもっともふさわしい手法を使おうと努めている」と語っていたそうです。

いずれにしてもその根底には圧倒的なデッサン力がある、ということは石のスケッチのコーナーで実感することができました。

彼が絵本をはじめてつくったのは50代に入ろうとするところで、
その時点で既に第一線で活躍する著名なグラフィック・デザイナーだった、ということでも納得できた点がいろいろ。

眺めていて感じられる、「完成されている」という気持ち良さは、
確かにデザイン性の高いポスターみたいだな、と。
しっかりデザインのスキルをもっているから、計算されつくした世界があるんですね。

それと「感情」みたいなものが共存しているのがすごいなと思いました。
ねずみはみんな同じ顔をしているし、工業製品のように無機質的なようでいながら、
すごく表現豊かで奥が深い、っていう独特な体験ができるってすごい。
解説によると、主人公の大きさや配置によって、心の動きや感情を見る側に伝えられるのも、グラフィック・デザイナーの仕事で培った手法なのだそうです。


もう一つは【主題】について。

それぞれの絵本が伝えたいメッセージ。
子どもはそんなにメタ的にこの本が伝えたいのは…なんて思わないし、そんなことばではないところで受け取って、密かに(自分でも気付かないところで)自分の中のなにかを形作るのかな、と思います。
それがその話をずっと覚えていたり、好きでい続けたりするという現象に残っているというか。

大人になって、こういった形で生涯のしごとを見せてもらうと、そのメッセージの深さとか、一貫性、それを絵本という形で表現しきることのすばらしさに感嘆します。
いくつになっても他の人とずれたことをしたくない、かと思いきや自分らしさを追い求めたいなんて悩むし。
「結局、選ぶのは自分」とか、もしかしたら今が一番実感しているかもしれないし。
決して絵本は子どものためだけのものではないんだなー。


展示会の構成や解説もわかりやすく、とっても好きな感じでした。
現在の国語の教科書も展示されていました。
かつての私のように、「アレクサンダとぜんまいねずみ」に心奪われている子どもたちがいるはず★

「原画」が発するエネルギーや色彩のあざやかさもすごかったです。
実は、帰って来てから絵本を見て実感しました。
原画のほうがきれいだったな…って思っちゃいました。
もう30〜40年たっているものなので、経年変化や汚れ、コラージュのズレなどあるんだけど、
やっぱり本物は違う…。

印刷された絵本は文字も載ってるしね。1970年代っぽいなーという文字組みのズレとか、最近はあまりつかわないなというフォントや微妙な文字間も、それは味があって好きですが。
もちろん絵本は図録ではないから、求めるものが違いますね。
だからこそ、こうして足を運んで原画をみるという経験にも意味があるのでしょう。


あと、きっと一番有名な作品は「スイミー」ですよね。
教科書に採択されているのも、こちらのほうが多いと思います。
お子さんが学校の宿題で「スイミー」の音読を自宅でしていた、と言っている人が何人かいました。

スイミーの原画は出ていませんが、スイミーの世界が映像になって、大きなスクリーンで見られるコーナーがあります。
自分も海の中にいるように囲まれていて、画面に近づくとさかなが逃げる!
楽しかったです。

まだ人ごみをかきわけずに買い物ができる物販コーナーは、かなり絞ったつもりですが、それでも普段の展示会のときよりもたくさん買い物してしまいました。

やっぱりグッズ映えしますよね〜。
こういうところでもグラフィック・デザイナーということを実感します。

特に買ってよかった!というのが「レオ・レオニ メモリーゲーム」。
神経衰弱ができるカードです。
絵柄が20種類以上!紙もしっかりと厚く、小振りなのもかわいいです。
3歳児ともぎりぎりゲームが楽しめることがわかりました。


絵本も日本語、原語(英語)、かなり揃っていました。
ようやく「アレクサンダとぜんまいねずみ」を購入し、30年ぶりに全文読み直しました☆
「スイミー」も!こっちはやっぱり私初読だったっぽいです。



「レオ・レオニ 絵本のしごと」展は、Bunkamuraでは8/4(日)まで(会期中無休)。
今後の巡回予定は
2013年12月7日-2014年2月16日 北九州市立美術館分館
2014年4月26日-6月8日 刈谷市美術館
とのことです。

Bunkamura開催の特設ページはコチラです。

  

2013年7月13日土曜日

モコレコメン:天気情報を読み解くための一生モノの知識/本『いのちを守る気象情報』(斉田季実治)

NHKの『首都圏ニュース845』や『NEWS WEB』の気象情報コーナーに出演中の気象予報士、斉田季実治さん。

斉田さん…ファンです☆
なぜなら、かっこいいから★
うっかりしていると、斉田さんに見とれてしまって、天気どうだったっけ…?と思ってしまいかねません。
いえ、この本を読んだらそんなことは言ってられない!

斉田さんのTwitterで、本を出されたことを知りました。
『いのちを守る気象情報』(NHK出版新書404)です。

まず「はじめに」を読み、気象情報を伝えるプロとしての使命感の強さに驚きました。
大学在学中に気象予報士資格を取得(とさくっと書いてありますが、難しいんですよね…)。新卒で入社した地方TV局では、報道記者としてたくさんの自然災害が起き、人がいのちを落とした「後」を伝えてきたそうです。
その人たちが正しい情報をもっていたら、いのちを落とさなくても済んだのではないか。だからそれを伝える「災害を未然に防ぐ『気象の専門家』」として生きていこうと決意され、この本を書くこともずっと心にもってきた目標だったそうです。

そういえば昨年、お世話になっているFM西東京の研修で、気象庁の方にお話を伺いました。
そのときに2008年に神戸の都賀川を襲ったゲリラ豪雨の映像を見ました。
監視カメラの映像を早回しにしたものだったのですが、声も出ぬ間に親水公園として整備された川が氾濫、遊歩道も埋まって行きました。
このときは橋の下に雨宿りしていた子どもたちが流され…亡くなった方もいたそうです(斉田さんの本でもこの事故は取りあげられています)。

私もこんな親水公園にいて夕立が来たら…
何の疑問もなく橋の下に「避難」して安心してしまうんじゃないか。
私がこの映像を見て一番怖いと思ったのはそれでした。

一つの知識があるかないかが明暗を分ける。
じゃあそんな知識をどうやって一つでも多く知っておくことができるか?
その方法の一つがこの本だと思います。

本では8つの大きな自然災害をとりあげています。
台風、大雨、雷、竜巻、大雪、熱中症、地震(津波)、火山の8つで、どの章から読んでも大丈夫。

特に印象的だったのは、今まさにリスクのある「熱中症」。
斉田さん自身が昨年熱中症になってしまったときの話にリアリティがあり、
誰でもあっさり熱中症になりうるし、知識がないとこれって熱中症なんじゃ…?と自分や家族も気付くのが遅れる危険があると知りました。

最近は決まり文句のように「熱中症にお気をつけくださいね」とかメールで書いちゃうけどさ…。それってどういうことか?ということを考えて危機感をもってその言葉を発しているか、受け取っているか?ですよね。


ある自然災害がいのちに関わるような事故となるかどうかは、その災害を受けた場所の環境、状況によっても変わるし、さらにそれを予測したり適切な対策をうてる知識があるかにもよる。
しかも、その知識があっても、油断や過信で行動が伴わなければ…。

私たちは心配だとたくさん情報に触れようとするし、今はネットもあるので簡単にアクセスできるようになっているけど、
その情報を「いのちを守る手段」にするためには、自分側にもベースとなる知識が必要なんですね。

この本は、その災害がなぜ起きるのかという気象学をわかりやすく噛み砕いた解説と、豊富な事例(たいていが人が亡くなった話なので心が痛みますが、これを読ませていただくことで無駄にはすまい、と思わされました)により私たちが取りうる術を知ることができます。

章の最後には、何か起こったときの状況に照らし合わせて判断できるわかりやすいまとめもあります。

自然災害を、「まさか自分に起こるとは思わなかった」ではなく、「いつかは自分に起こるかもしれない」と思うこと。
でも「いつ起こってもおかしくないんだよね…。こわいなー、どうしよう」と漠然とした不安のままにせず、事故を防ぐための科学的な知識をもち、具体的な対策を講じられるようにしておくこと。

しっかり肝に銘じ、家族とも共有したいと思います。


「お天気キャスター」って華やかなイメージで人気職業という感じですが、
「いのち」を左右する情報を提供する、本当に責任あるお仕事なんだなあ。

日々のお天気情報は刻々と変わる、賞味期限のある情報。
この本に載っているのは、その日々の情報を最大限意味のあるものとして受け取るための一生モノの知識で、いわば一般人にとっての気象情報のマニュアルだと思いました。

自分や大切な人を守るために、一日も早く、一人でも多くの人に手に取っていただきたい本です!
あー、ますます好きになってしまった…。